...琴棋書画の技法を磨くために、この夏中国に留学するつもりだ...
...この夏中百日を暢心(ちやうしん)静居の界に遊ばんとす...
石川啄木 「閑天地」
...それには夏中の疲れやら何かで...
上村松園 「迷彩」
...この夏中さしわたし二尺あまりもある大きな葉の面に思うまま日光を吸うていた窓さきの桐の葉がばさばさと半分ばかり落ちてしまった...
大杉栄 「獄中消息」
...夏中あわただしい旅の生活を送つてゐるのだ...
薄田泣菫 「独楽園」
...葉子は夏中彼の傍(そば)に本当に落ち着いていたわけではなかった...
徳田秋声 「仮装人物」
...夏中病床に親しんで...
豊島与志雄 「好意」
...夏中洲崎(すさき)の遊廓(ゆうかく)に...
永井荷風 「深川の唄」
...この夏中の温泉の座持ちでありました...
中里介山 「大菩薩峠」
...それがこの夏中から...
中里介山 「大菩薩峠」
...こんな現象は予も夏中屡々目撃して寧ろ壯快に感じたのであつた...
長塚節 「痍のあと」
...その上夏中降雨量が極めて少ない...
中谷宇吉郎 「コロラド通信」
...夏中の予定だったが...
額田六福 「解説 趣味を通じての先生」
...夏中草が繁げつてしまつて...
林芙美子 「柿の実」
...夏中だけでも行っていたら...
堀辰雄 「風立ちぬ」
...山の生活が気に入つてゐて夏中を彼処(あすこ)で送りたいと云つてゐたが...
牧野信一 「山を越えて」
...よく世間では毒なもののように言って夏中茄子を食べないと冬になって風邪(かぜ)を惹(ひ)かないとか疝気(せんき)が起らないとかいうね...
村井弦斎 「食道楽」
...去(い)んでくだされ」「今日は外で、ちと耳よりな拾い物をしたので、はやく聞かしてやろうと思って帰って来たのに」「後で聞きましょう」「いつ終るのか」「一字一字、菩提(ぼだい)の心になって、ていねいに書くので、一部書くにも三日はかかる」「気の永げえこったな」「三日はおろか、この夏中には、何十部も認(したた)めましょう...
吉川英治 「宮本武蔵」
...その夏中ぐらいは...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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