...そして密(マヽ)柑があつて(白船居)どうやら霽れさうな松のみどり沖から白帆の霽れてくる埋立地のそここゝ咲いてゐる頬かむりして夏めく風にそよいでる棕櫚竹の一本を伐る西瓜とパヽイヤとさて何を添へようか(白船居)春蘭そうして新聞むつまじく白髪となつてゐられる□星も見えない旅をつゞけてゐる□・岩へふんどし干してをいて・若葉のしづくで笠のしづくでよく話した...
種田山頭火 「行乞記」
...・自動車まつしぐらに炎天・木かげは涼しい風がある旅人どうし若葉の中からアンテナも夏めく・それはそれとして草のしげりやうは湯田温泉夏山のかさなれば温泉(ユ)のわくところ・おもひでの葉ざくらのせゝらぐ・さびしがりやとしてブトにくはれてゐます七月十一日曇...
種田山頭火 「其中日記」
...重荷がどつさり蕨で子供が兵隊さんによびかける葉桜の濃く山が青く青く女はおしやべり夏めく山のまつくろなけむり小学生の男と同車して大きな小さな...
種田山頭火 「旅日記」
...……曇れば波立つ行く春の海の憂欝島をばらまいて海は夏めくいちにち日向でひとりの仕事柊屋(澄太居)よい眼ざめの雀のおしやべり風は初夏の...
種田山頭火 「松山日記」
...今朝は暑し、夏めく...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
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松本たかし 「松本たかし句集」
...夏めく南風にも欠伸(あくび)が出...
吉川英治 「江戸三国志」
...帰ってよい」まだ不忍池(しのばずいけ)の蓮見には少し早いが、夏めくと、山内から池畔へかけて、何となく、そぞろ歩きの男女が多い...
吉川英治 「大岡越前」
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