...水郷初夏の風致、人をして超世の思ひあらしむ...
大町桂月 「川魚料理」
...初夏の風のないむせむせする日の夕方のことであった...
田中貢太郎 「放生津物語」
...初夏の風をまともにガソリンカーで・しげる葉の...
種田山頭火 「其中日記」
...爽(さわ)やかな初夏の風が柳の新緑を吹いている加茂川ぞいの二階座敷に...
近松秋江 「黒髪」
...会場を出るとさわやかな初夏の風が上野(うえの)の森の若葉を渡って...
寺田寅彦 「庭の追憶」
...――夏の風邪って云う奴はどうもいかんね」「先週三日ばかり...
コナンドイル Arthur Conan Doyle 三上於莵吉訳 「株式仲買店々員」
...私は活動写真や国技館や寄席(よせ)なぞのビラが崖地(がけち)の上から吹いて来る夏の風に飜(ひるがえ)っている氷屋の店先(みせさき)...
永井荷風 「日和下駄」
...爽かな初夏の風が...
中谷宇吉郎 「郭公のおとずれ」
...先(ま)ず初夏の風物から書き起して...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...よしたまえ」初夏の風の吹き通る十二畳の日本間...
野村胡堂 「胡堂百話」
...夏の風邪は拔け難いから...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...夏の風邪は抜け難いから...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...眞夏の風に煽(あふ)られて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...芝山を桐ある方へ下りて行く女犬ころ初夏の風山本さんの野方の九如園で歌会が開かれた事がある...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...あるときは初夏の風にふかれながら...
堀辰雄 「大和路・信濃路」
...ただ夏の風というくらいの意に用いるものなれば「薫風」とつづけて一種の風の名となすにしかず...
正岡子規 「俳人蕪村」
...初夏の風爽やかなるところの...
山本周五郎 「長屋天一坊」
...そこの生々たる夏の風に...
吉川英治 「新・水滸伝」
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