...今年の夏は久振りで鎌倉へ行かない?」八月になると...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...夏中縁先に張出されてあった葭簀(よしず)の日覆(ひおい)を洩(も)れて...
徳田秋声 「あらくれ」
...あの海岸の療養所にこの夏一杯もゐたら...
徳田秋聲 「老苦」
...虻(あぶ)の群(む)れあつまって唸(うな)る声が独り夏の日の永いことを知らせているばかりである...
永井荷風 「つゆのあとさき」
...夏の陣で燒け落ちた天守閣は再建されて...
長岡半太郎 「大阪といふところ」
...御夏さんは笑いながら静岡には水瓜もあります...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...きょ年の夏休みのことでした...
新美南吉 「いぼ」
...「御顕示はわかったが、夏場になれば、茅葭(かやよし)のような強い草でさえ立枯れする...
久生十蘭 「藤九郎の島」
...大夏(バクトリヤ)...
南方熊楠 「十二支考」
...寂しい町に、前後の連絡もなく、『わ――っ』と上がって、それ切り消える響き、夏は夏らしく、冬は冬らしい感じを与えた...
宮島資夫 「四谷、赤坂」
...宇治の村は夏蜜柑も光つて見える懷かしい在所のやうであつた...
室生犀星 「京洛日記」
...其次に「夏意、席上分韻」の七律一首がある...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...夏の最も暑い月においてでなければならず...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...久しい冬から蘇つた心地で此の晩春初夏の一日の遊楽に慰安を求める在留邦人の喜びを見て...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...すでに、夏も七月...
吉川英治 「私本太平記」
...その範宴の身辺には昨年の夏ごろから大きな問題が起っている...
吉川英治 「親鸞」
...五月四日という夏も初め頃の真澄(ますみ)の空に...
吉川英治 「平の将門」
...カブラルは一五七〇年の夏天草島の志岐に着いてトルレスに代り日本におけるヤソ会の指揮をとり始めたのであるが...
和辻哲郎 「鎖国」
便利!手書き漢字入力検索