...日本の洋楽が椿岳や彦太楼尾張屋の楼主から開拓されたというは明治の音楽史研究者の余り知らない頗(すこぶ)る変梃(へんてこ)な秘史である...
内田魯庵 「淡島椿岳」
...三唖も旋毛(つむじ)の少々曲った変梃(へんてこ)な男だから嫌気(いやき)がさして復(ま)た暫らく足を遠のくと...
内田魯庵 「硯友社の勃興と道程」
...やがては自分もこんな腰附き手附きをして変梃(へんてこ)極まる仕草をしなければならんとは...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...変梃な気持でじっと見返したまま...
豊島与志雄 「或る男の手記」
...皆は変梃な気持で顔を見合せました...
豊島与志雄 「影」
...両腕を拡げ首を前に突出し変梃な蟹足の足取りで...
豊島与志雄 「影」
...その苦笑が、実に変梃なのだ...
豊島与志雄 「悲しい誤解」
...何もかもつまらないような……何もかも淋しいような……何もかも馬鹿げてるような……何もかも滑稽なような……実際変梃です...
豊島与志雄 「香奠」
...それが嬉しいようで淋しいようで、変梃なのさ...
豊島与志雄 「潮風」
...ことに変梃(へんてこ)な音楽談をなし...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...そもそも変梃なのである...
豊島与志雄 「自由人」
...――こいつはどうも少し変梃だ...
豊島与志雄 「裸木」
...そこへ清が変梃なものを齎した...
豊島与志雄 「白血球」
...変梃な気持だった...
豊島与志雄 「幻の彼方」
...実に変梃なものだった...
豊島与志雄 「道連」
...変梃な気持ちを覚えた...
豊島与志雄 「理想の女」
...とても変梃(へんてこ)にさせていそうだった...
堀辰雄 「麦藁帽子」
...だが日を経るに伴れて益々変梃で終ひには銀座などで出過ってもどちらもその顔つきは厭に嶮しく果はフンといふやうな態度を示すに至ったのである...
牧野信一 「喧嘩咄」
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