...ようやくにして佐野屋という変梃(へんてこ)な家の二階と決まる...
押川春浪補 「本州横断 痛快徒歩旅行」
...窃書は読書人の為す事で盗みの数に入るべきことではない」そうして後に続く言葉はとても変梃なもので...
魯迅 井上紅梅訳 「孔乙己」
...時ありて梁山泊の豪傑連が額を鳩(あつ)めて密(ひそか)に勢力拡張策を講ずるなど随分変梃来(へんてこ)な事ありてその都度提調先生私(ひそ)かに自ら当代の蕭何(しょうか)を以て処(お)るといふ...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...もう一人の男の制服制帽が這入ってます」「その男は」「今日は病気で休んでいるのです」何だか話が変梃になって来た...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...何もかもつまらないような……何もかも淋しいような……何もかも馬鹿げてるような……何もかも滑稽なような……実際変梃です...
豊島与志雄 「香奠」
...まだ陽が沈まず、ぎらぎらした外光が大気に漲っているのが、変梃だった...
豊島与志雄 「自由人」
...もっと複雑な変梃なもので...
豊島与志雄 「渡舟場」
...君の様子はちっと変梃だと...
豊島与志雄 「囚われ人」
...怪しい変梃な気持になって...
豊島与志雄 「白日夢」
...――こいつはどうも少し変梃だ...
豊島与志雄 「裸木」
...その変梃なのが正直な所だったら...
豊島与志雄 「変な男」
...近く寄って見るから変梃に見えるので...
豊島与志雄 「変な男」
...頭の形が変梃になって...
豊島与志雄 「変な男」
...実に変梃なものだった...
豊島与志雄 「道連」
...そんなことを言った後では、いよいよ自信たっぷりになって、得意満面の笑みをたたえながら、『そりゃ、なるほど地方(ところ)によっては、実に変梃な、滑稽きわまる人間もあるもので、それに、破廉恥漢だってざらにあろうさ!』と、附けて加えて言われるだろう...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...真紀変梃(へんてこ)な所はあなたの感じが出てるんだろう...
森本薫 「みごとな女」
...何もかも夢の中の出来事のように変梃(へんてこ)なことばかりでありながらその一つ一つが夢以上に気味わるく...
夢野久作 「あやかしの鼓」
...そんな変梃(へんてこ)な死に方をするのかすら見当の付けようがない...
夢野久作 「暗黒公使」
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