...車夫は変哲もない顔色(がんしょく)で...
泉鏡花 「歌行燈」
...そのまゝでは何の変哲もないのだが...
伊東静雄 「詩集夏花」
...その変哲もない三角の山を眺めては...
太宰治 「富嶽百景」
...書き物机は何の変哲もない窓に向かって置かれ...
三上於菟吉訳 大久保ゆう改訳 「踊る人形」
...進歩という観念が変哲もない一本調子なものではなくて...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...それはおまへの今ゐるのが何の変哲もない峠道のことで...
中原中也 「深夜の峠にて」
...この何の変哲もない小観測所の中に...
中谷宇吉郎 「アラスカ通信」
...――こんな変哲もないものを描(か)いてあるのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...何の変哲もないが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...滅多(めった)に見付かりませんよ」兇賊は何の変哲もない小男で...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...何の変哲もない場所で...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...お互いに定石を紋切り型に繰り返すだけなら何の変哲もないものになってしまうだろう...
野呂栄太郎 「名人上手に聴く」
...変哲もないもの来る...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...いくぶん徳川時代の古駅の俤(おもかげ)をそのまま止めているというよりほかに何の変哲もない...
堀辰雄 「雉子日記」
...あの弾丸の形をした何の変哲もない盛塩(もりじお)だ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「くちなしの花」
...凝視する先に何の変哲もない小箱がテーブルにあった...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「謎の四つ指」
...越前守は、平日どおり、奉行所に出仕し、白洲の訴訟を聴き、市政万般の公事(くじ)を裁決して、変哲もない、平凡な忙(せわ)しい日を送っていた...
吉川英治 「大岡越前」
...やはり順を追って変哲もない浮き沈みの経路をここでもつい書かざるを得なくなった...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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