...何んの変哲もないが...
江見水蔭 「悪因縁の怨」
...相当に古い・既に形の崩れた・所々に汚点(しみ)の付いた・おまけに厭な匂のする・何の変哲も無いヘルメット帽である...
中島敦 「環礁」
...この何の変哲もない小観測所の中に...
中谷宇吉郎 「アラスカ通信」
...何の変哲もない中古(ちゅうぶる)の品で...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...「あれだよ」「こいつは、清水屋敷の舟だが?」平次の指さしたのはこの辺の川を渡すのに使う舟で、何の変哲もなく、岸の杭(くい)に繋(つな)いであるのでした...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...なるほど何の変哲もない白い半切と白い封筒で...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...何の変哲もありそうはなかったのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...お互いに定石を紋切り型に繰り返すだけなら何の変哲もないものになってしまうだろう...
野呂栄太郎 「名人上手に聴く」
...畑の中の何の変哲もない旅館だつたけれど...
林芙美子 「淪落」
...前庭に果樹園を持った変哲もない百姓小屋...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...何の変哲もない景色だ...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...朝から晩まで変哲もなく真面目さうであり...
牧野信一 「断酒片」
...「見ると全く変哲もない顔なんだが――僕はあなたが憤つたり笑つたりする時に...
牧野信一 「病状」
...……ほんとに変哲もねえ...
山本周五郎 「似而非物語」
...何んの変哲もない絵ばかりだね...
横光利一 「旅愁」
...武勇一点ばりで変哲もない男かと多年思っていたが...
吉川英治 「三国志」
...やはり順を追って変哲もない浮き沈みの経路をここでもつい書かざるを得なくなった...
吉川英治 「忘れ残りの記」
...打ち見たところ栓と云うより外(ほか)に何の変哲もない代物だ...
モウリス・ルブラン 新青年編輯局訳 「水晶の栓」
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