...壺坂の片ほとり土佐町に...
泉鏡花 「開扉一妖帖」
...寺は、壺坂、笠置、法輪...
太宰治 「古典竜頭蛇尾」
...学校からの帰りには、義太夫の女師匠の家へ立寄つて、さいしよは朝顔日記であつたらうか、何が何やら、いまはことごとく忘れてしまつたけれども、野崎村、壺坂、それから紙治など一とほり当時は覚え込んでゐたのである...
太宰治 「津軽」
...此大隅太夫は壺坂の觀音樣の靈驗の淨瑠璃を初めて節つけして有名な豐澤團平の弟子であります...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...五十年輩の三味線弾(しゃみせんひ)きを一週に何度か日を決めて家へ迎え「揚屋(あげや)」だの「壺坂(つぼさか)」だの「千代萩(せんだいはぎ)」に「日吉丸(ひよしまる)」など数段をあげており...
徳田秋声 「縮図」
...調子も四本出るのだったが、年を取ってからも、子供々々した愛らしい甘味が失(う)せず、節廻しの技巧に捻(ひね)ったところや、込み入ったところがなく、今一と息と思うところであっさり滑って行くので、どっちり腹で語る義太夫にも力瘤(ちからこぶ)は入らず、太(ふと)の声にはなりきらないので、師匠を苛々(いらいら)させ、ざっと一段あげるのにたっぷり四日かかったのだったが、その間に「日吉丸」とか「朝顔」とか「堀川」、「壺坂」など、お座敷の間に合うようにサワリを幾段か教わった...
徳田秋声 「縮図」
...壺坂(つぼさか)のお里を語るは...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...淨瑠璃(じやうるり)の壺坂靈驗記(つぼさかれいげんき)の澤市(さはいち)の例でも證明されることです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...道を八木市場から壺坂にとった...
原勝郎 「東山時代における一縉紳の生活」
...男を沢市に見立てて目隠しをさせ手を引いて走る壺坂競走...
正岡容 「艶色落語講談鑑賞」
...アベックや壺坂に出た男の人はみな原さんたちパレスの役員で...
正岡容 「艶色落語講談鑑賞」
...ひとにはききとれにくい「壺坂」を...
宮本百合子 「現代の主題」
...名古屋で呂昇の壺坂を聞いた時...
武者金吉 「地震なまず」
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