...その魂はいつも壺中の醍醐味によつて養はれてゐるからだ...
薄田泣菫 「独楽園」
...又*地より來り心を慰むる酒を壺中に運び行く...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...壺中(こちゅう)の天地ということもあるから...
中里介山 「大菩薩峠」
...それに比べると壺中(こちゅう)の天地のようなものでしたから...
中里介山 「大菩薩峠」
...白骨は壺中(こちゅう)の天地でありましたけれど...
中里介山 「大菩薩峠」
...なだらかな胆吹尾根から近江の湖面を眺めやった時――壺中の白骨(しらほね)の天地から時あって頭を出して...
中里介山 「大菩薩峠」
...壺中(こちゅう)の天地に移動している...
中里介山 「大菩薩峠」
...人知れず壺中の天地を深く愛しはぐくんだのであろう...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...自から烏有(うゆう)の山水を刻画(こくが)して壺中(こちゅう)の天地(てんち)に歓喜すると...
夏目漱石 「草枕」
...忽ち消えて壺中の白骨となるというのは...
西田幾多郎 「我が子の死」
...獨り壺中(こちう)の天地を樂しんでゐるのでした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...髪を小豆納(あずきいれ)の壺中に蔵(かく)す...
南方熊楠 「十二支考」
...各々一空壺中に唾(つばは)かしむれば...
南方熊楠 「十二支考」
...壺中で四十分も自在に游ぎ廻る間に...
南方熊楠 「十二支考」
...悠々と壺中に游ぎて壺外に跳び出ぬは...
南方熊楠 「十二支考」
...明治三十年頃には、柴明館と称して温泉旅館となっていた、と荷風氏は書いておられるが私の行ったのは三十七、八年頃で、家の名は覚えていないが、その家の座敷に、壺中春、という額のかかっていたのを覚えている...
宮島資夫 「四谷、赤坂」
...能く造化を壺中(こちゆう)に縮めて...
森鴎外 「柵草紙の山房論文」
...陶壺中(とうこちゅう)に鉛封(えんぷう)す...
夢野久作 「暗黒公使」
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