...少しの頓着もなく売声はもとより立てずに悠々(ゆうゆう)と歩いていくのだった...
有島武郎 「星座」
...売声(うりごえ)で今一つ明治前に名高かったのは...
淡島寒月 「江戸か東京か」
...この男の売声というのは...
淡島寒月 「江戸か東京か」
...鮨売(すしうり)の粋な売声では...
淡島寒月 「江戸か東京か」
...」豆府屋の親仁(おやじ)が、売声をやめて、このきらびやかな一行に見惚(みと)れた体で、背後(あと)に廻ったり、横に出たり、ついて離れて歩行(ある)くのが、この時一度後(うしろ)へ退(しざ)った...
泉鏡花 「薄紅梅」
...雁(がん)もどき」……売声をあげて...
泉鏡花 「薄紅梅」
...しきりに奇妙な売声をはりあげて...
海野十三 「鬼仏洞事件」
...こんな売声が通り過ぎた...
薄田泣菫 「独楽園」
...駅の売声がようきこえる...
種田山頭火 「其中日記」
...勢(いきほひ)の好(い)いあの売声を聞いて...
田山花袋 「朝」
...「お銀がつくった大ももは」という売声には色々な郷土伝説的の追憶も結び付いている...
寺田寅彦 「郷土的味覚」
...またその売声といい...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...オッチニイ」とその売声(うりごえ)が註にしてある...
永井荷風 「巷の声」
...其の売声(うりごゑ)を珍しさうに真似する子供の叫びが此方(こなた)から彼方(かなた)へと移つて行くので...
永井荷風 「花より雨に」
...何にしたものか今はただ売声だけ覚えています...
夏目漱石 「道楽と職業」
...売声を発するまでもなくポンと窓外にはふり出したのである...
牧野信一 「ゾイラス」
...金魚イ」売声のまくらで落語家がよくやるハタと人足絶えた旧東京の日盛りの街々をおもはせてなつかしい...
正岡容 「下町歳事記」
...商売声を出したから...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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