...恋人たちの声もない...
ワシントン・アーヴィング Washington Irving 吉田甲子太郎訳 「ウェストミンスター寺院」
...葉子は昏々(こんこん)として熱も光も声もない物すさまじい暗黒の中にまっさかさまに浸って行った...
有島武郎 「或る女」
...僕は一向金もなく名声もない一個の私立中学の物理教師にすぎなかったのであるが...
海野十三 「振動魔」
...犬の吠(ほ)える声もない...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...兵部の娘らしいのが面(かお)を蔽(おお)うて寝ている――「田山先生」と、お松が一番先に出て、このバッテイラを迎えると、当然、保護して来たと思われる田山白雲らしい姿も、声もないのが、やや異常に感じさせました...
中里介山 「大菩薩峠」
...浅ましいことには諦めきれません」老巡礼は声もない嗚咽(おえつ)に...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...三味の流れも唄の声もない一面の寂寞(せきばく)に返ってしまった...
吉川英治 「剣難女難」
...満堂の魏臣しばし声もない...
吉川英治 「三国志」
...自分の語る自分に泣かれて、彼女はしばらく、声もない...
吉川英治 「私本太平記」
...人声もない廻廊やうす暗い廂(ひさし)ノ間(ま)を通って...
吉川英治 「私本太平記」
...声もない刻々が重くるしくつづいていた...
吉川英治 「新書太閤記」
...この三万を以てすれば一撃の下に――などと逸(はや)り切る声もないではなかったが...
吉川英治 「新書太閤記」
...ここ、大垣の城は、ひそと、声もない、喪(も)の城であった...
吉川英治 「新書太閤記」
...その後の声もない...
吉川英治 「新・水滸伝」
...万象(ばんしょう)寂(せき)として声もない...
吉川英治 「新・水滸伝」
...しいんと、声もないうちに...
吉川英治 「親鸞」
...待て! と浴びせてくる声もない...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...「…………」「…………」声もない...
吉川英治 「日本名婦伝」
便利!手書き漢字入力検索