...眠つてゐる少女の上に声もない雪が一点の汚れもない掛衣(かけぎぬ)を織りでもしたかの如く思はれた...
テオフィル・ゴーチエ Theophile Gautier 芥川龍之介訳 「クラリモンド」
...葉子は昏々(こんこん)として熱も光も声もない物すさまじい暗黒の中にまっさかさまに浸って行った...
有島武郎 「或る女」
...オイ早く持ってこないか」家中静かで返辞の声もない...
伊藤左千夫 「浜菊」
...僕は一向金もなく名声もない一個の私立中学の物理教師にすぎなかったのであるが...
海野十三 「振動魔」
...声もない呼声に胸をかきむしられた...
田畑修一郎 「鳥羽家の子供」
...途方にくれた顔もなく、救いを叫び求める声もなく、泣声もなく、罵る声もない...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「妻」
...聞える声もない...
永井荷風 「監獄署の裏」
...浅ましいことには諦めきれません」老巡礼は声もない嗚咽(おえつ)に...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...滅多に人の声もない青畑の一隅である...
牧野信一 「病状」
...やさしいくちびるの外に聞きたい声もない...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集拾遺」
...いちめん大地は朽(く)ち落葉で埋まって見え、寂(せき)として、人声もない...
吉川英治 「私本太平記」
...彼の耳には鶯の声もない...
吉川英治 「私本太平記」
...しかし信長の左右すべての人々が、信長の震撼(しんかん)に慴伏(しょうふく)して、一瞬、寂(せき)としたまま、声もないので、しばらく彼もそこを起ちかねていた...
吉川英治 「新書太閤記」
...その後の声もない...
吉川英治 「新・水滸伝」
...声もないのは奇異でもないが...
吉川英治 「新・水滸伝」
...山城一帯は寂(せき)として声もない...
吉川英治 「新・水滸伝」
...しいんと、声もないうちに...
吉川英治 「親鸞」
...待て! と浴びせてくる声もない...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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