...大理石で畳んだ壮麗なる演戯場の桟敷から罪なき赤手の奴隷――完たき『無力』の選手――が...
石川啄木 「雲は天才である」
...たとえば古来の数学者が建設した幾多の数理的の系統はその整合の美においておそらくあらゆる人間の製作物中の最も壮麗なものであろう...
寺田寅彦 「科学者と芸術家」
...初めて現在のごとき科学の壮麗な殿堂が築き上げられたということは毫(ごう)も疑う余地のないことである...
寺田寅彦 「ルクレチウスと科学」
...壮麗な会堂の建物が残っておるにすぎぬからじゃ...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...ヒマラヤをしのぐ壮麗な氷河が...
中谷宇吉郎 「アラスカの氷河」
...それで充分に壮麗な物理学の殿堂を築き上げる材料として採用することが出来るのである...
中谷宇吉郎 「地球の円い話」
...わけてもその壮麗なるが故(ゆえ)にジュピターと名づけられた「交響曲第四一番ハ長調K五五一」を...
野村胡堂 「楽聖物語」
...壮麗な恋愛論を一つ書きたいものだ...
林芙美子 「恋愛の微醺」
...これを整理して壮麗な文体で一つの作品を残したいとも思った...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...多くの作家の空想を刺激しては雄大壮麗な海洋冒険小説を生み出している...
牧逸馬 「沈黙の水平線」
...秋口から冬にかけてこの竜巻村の三方をとり囲む蜜柑山の壮麗な色彩りを見渡して野遊びの快を貪る日などに...
牧野信一 「バラルダ物語」
...馬上ゆたかにこの壮麗な原野を見渡すと...
牧野信一 「山を降る一隊」
...或壮麗な恍惚にまでたかまる悲劇...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...「あなたたちは豪奢壮麗な邸宅を見るとき...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...彼のために壮麗な葬儀を命じた...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...大伽藍のように壮麗な側壁...
横光利一 「上海」
...たとえば、宮門や太政官、八省(はっしょう)などの建物とその地域は、華美壮麗なこと、隋(ずい)唐(とう)の絵画にでも見るようであったが、そこを中心とする碁盤目の道すじをすこし離れると、もう泥濘(ぬかるみ)は、言語に絶し、乾けば、牛の糞(ふん)が、埃(ほこり)だち、そして左京の四分の一、右京はなお全区の三分の一強が、田であり、畑であり、湿地であり、ふしだらな小川であり、草茫々たる空閑地であり、古池であり、森であり、また、見るもみじめな貧民たちの軒かたむいた板屋葺(ぶき)の長屋やほッたて小屋だった...
吉川英治 「平の将門」
...町の外郭にある壮麗な仏寺や神社を占領した...
和辻哲郎 「鎖国」
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