...酒に中(ひた)った彼を壟断(ろうだん)していた...
芥川龍之介 「素戔嗚尊」
...「そんならある意味で小作人をあざむいて利益を壟断(ろうだん)している地主というものはあれはどの階級に属するのでしょう」「こう言えばああ言うそのお前の癖は悪い癖だぞ...
有島武郎 「親子」
...數丈高い空間に鐵材の構造が壟斷(ろうだん)された鼻である...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...水を避けて南壟(なんろう)に住す...
巌谷小波 「こがね丸」
...一時硯友社はあたかも政友会が政界に跋扈(ばっこ)したように文壇を壟断(ろうだん)して...
内田魯庵 「硯友社の勃興と道程」
...勝手に私利を壟断(ろうだん)して下層民を虐(しいた)げる事は出来ぬ訳で...
大隈重信 「永久平和の先決問題」
...染素(せんそ)を胎(たい)と成し墳壟(ふんろう)に埋蔵せらる...
田中貢太郎 「牡丹燈籠 牡丹燈記」
...同書那珂郡の條下に曰く「平津驛家、西一二里有岡、名曰大櫛、上古有人、體極長大、身居丘壟之上、採蜃食之、其所食具、積聚成岡、時人取大之義、今曰大櫛岡、其大人踐跡、長卅餘歩、廣廿餘歩、尿穴跡可廿餘許、」大櫛今又大串と改稱(かいせう)して東茨城郡に屬せり...
坪井正五郎 「コロボックル風俗考」
...時として一部が権力を壟断(ろうだん)することがある...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...今まで梅仙女の愛を壟断して居た武士から言えば...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...日本の封建領主は幕府も藩主も関税の利益を壟断(ろうだん)するかあるいは自ら貿易企業者の資格を帯びることによって利益した...
服部之総 「尊攘戦略史」
...文明が京都在住の少數者の壟斷から脱して...
原勝郎 「鎌倉時代の布教と當時の交通」
...菅笠の座からの運上を壟断(ろうだん)したように...
原勝郎 「東山時代における一縉紳の生活」
...壟断(ろうだん)される罪悪を...
火野葦平 「花と龍」
...ファウストあいつらはあの処刑場(しおきば)の円壟(まるづか)で何をするのだ...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...利益があれば勢力者がこれを壟断(ろうだん)するのは珍しくない...
柳田國男 「地名の研究」
...屋敷の土居を壟と書いてグロと読む例などを思い合せると...
柳田國男 「名字の話」
...新興日本の利権とを併せて壟断(ろうだん)しようと試みた者は...
夢野久作 「近世快人伝」
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