...彼女は墨黒のドレスを身に着けてパーティーに出席した...
...この絵は素晴らしい墨黒の筆致だ...
...その映画には墨黒に染まった闇の世界が描かれている...
...墨黒の夜空には満天の星が輝いていた...
...墨黒の墨で文字を書くのは少々難しい...
...札には墨黒々(すみくろぐろ)と下手(へた)な字で...
芥川龍之介 「葱」
...墨黒々と不細工(ぶさいく)な書院風の窓が描かれ...
江戸川乱歩 「押絵と旅する男」
...そこには、いつのまに、だれが書いたのか、墨黒々と、大きな「3」の字があらわれていたのです...
江戸川乱歩 「少年探偵団」
...「皇立」だけはとくに頭文字で印刷してあったのを墨黒々とていねいに消してあった...
丘浅次郎 「人間生活の矛盾」
...それに筆太に墨黒々と「原野九郎(はらのくろう)」とか「小菅雷三(こすげらいぞう)」とか「不破伊勢次(ふわいせじ)」とかそういった感じのする名前が書きひけらかしてある...
寺田寅彦 「柿の種」
...墨黒(すみぐろ)の夜の空に火焔(かえん)の字をもて大書した様に読まるゝのです...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...杉皮葺(すぎかわぶき)の仮屋根の下に墨黒々と「彰忠(しょうちゅう)」の二大字を書いた板額(いたがく)が掲(かか)って居る...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...剖(さ)いた腹から一団のとろ/\した紅(あか)い火の球が墨黒の空に長い/\尾を曳いて飛んで...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...ばてれんの訴人 銀三百枚いるまんの訴人 銀二百枚立ちかへり者の訴人 同断同宿並にかくし置き他より顕(あら)はるるに於ては――云々の文句が威脅するやうに墨黒々とそれに書かれてゐる...
長與善郎 「青銅の基督」
...夏目漱石君などと云うような名前が墨黒々と書いて壁に貼(は)りつけてある...
夏目漱石 「中味と形式」
...半紙に墨黒々と朝妻船(あさづまぶね)とかいて貼(は)り出してあるから...
夏目漱石 「野分」
...墨黒々とでっかい賽ころを描いて...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...平次の掌には、墨黒々と、――そつと窓を見ろ、聲を立てるな――と八五郎が讀めるやうに、假名で書いてあるのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...一望の墨黒色の沙漠を見ただけでも體が固く冷えてしまひそうです...
林芙美子 「大島行」
...こう墨黒々と書き残して行った不敵な文字を...
吉川英治 「江戸三国志」
...正面袖門つきの入口には欅(けやき)尺二の板に墨黒々と「天下無敵大円鏡智流刀杖指南...
吉川英治 「剣難女難」
...「敵か? 味方か?」と、疑いながら、彼のさしている白い旗を間近まで進んで見ると、何ぞはからん、墨黒々、漢寿亭侯雲長関羽(かんのじゅていこううんちょうかんう)と、書いてある...
吉川英治 「三国志」
...墨黒々と書いた貼紙の立て板が...
吉川英治 「山浦清麿」
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