...彼の書いた手紙には、墨痕が濃く残っていた...
...古い書物には、自然と墨痕が生じているものが多い...
...調査書の裏には、墨痕で何か書いた形跡がある...
...墨痕のあるペンは、落ち着いた雰囲気を演出できる...
...あの画家は、墨痕のような独自のタッチを持っている...
...その淋漓(りんり)たる墨痕(ぼくこん)の中にも...
芥川龍之介 「開化の殺人」
...墨痕(ぼっこん)あざやかに認(したた)めてあった...
海野十三 「柿色の紙風船」
...されば本文にもいへるごとくかりそめにいひすてたる薬欄(やくらん)の一句の墨痕(ぼくこん)も百四十余年の后(のち)にいたりて文政の頃白銀の光りをはなつぞかし...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...入口に立てかけた大看板に(只今オリムピックボオト選手一同御来店中)と墨痕(ぼっこん)鮮(あざ)やかに書いてあります...
田中英光 「オリンポスの果実」
...今夜見れば墨痕(ぼくこん)美わしく「彰忠(しょうちゅう)」の二字に化(な)って居る...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...墓標には墨痕(ぼっこん)あざやかに「片岡浪子の墓」の六字を書けり...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...「豊臣太閤誕生之処」この八文字が墨痕あざやかに認められたのを見ても...
中里介山 「大菩薩峠」
...淋漓(りんり)として墨痕(ぼっこん)が飛ぶ...
中里介山 「大菩薩峠」
...微(かす)かなる墨痕(ぼっこん)のうちに...
夏目漱石 「野分」
...墨痕(ぼっこん)あざやかにのびのびと書かれた文字であった...
本庄陸男 「石狩川」
...近視眼者のやうに好く/\顔を近づけて験べると文字だけが円味を湛えて浮びあがつてゐる墨痕に「藤龍軒天狗流兵術指南所」と読まれるのであつた...
牧野信一 「天狗洞食客記」
...見ると意外!墨痕(ぼっこん)美しく書かれた句は...
山本周五郎 「其角と山賊と殿様」
...墨痕すこぶる鮮やかに揮毫されたのは「花鳥得時」の四大字...
山本笑月 「明治世相百話」
...墨痕深く「安天命致忠誠」「為△△君」と書いて遣った...
夢野久作 「恐ろしい東京」
...なすり付けてある墨痕(ぼっこん)でありました...
吉川英治 「江戸三国志」
...墨痕りんりと書いてゐるが「あゝ...
吉川英治 「折々の記」
...たっぷりと」気いっぱいな墨痕(ぼっこん)で...
吉川英治 「松のや露八」
...壁の墨痕(すみあと)もいつか春秋の雨や風にうすれてゆく...
吉川英治 「源頼朝」
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