...墨壺を持って書斎に行った...
...その書道家の墨壺はとても古く、貴重だと言われている...
...墨壺の中の墨が乾いてしまって、使えなくなってしまった...
...展示室には古代の墨壺がたくさん展示されていた...
...墨壺をおしゃれな置物として使っている人もいる...
...いきなり直芳は矢立の筆の先を墨壺に突込まずにはいられなかった...
江見水蔭 「壁の眼の怪」
...で墨壺(すみつぼ)に刷毛(はけ)を浸し...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...四 物を白くするのみなる墨壺(すみつぼ)ちょうどその時...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...墨壺をひつくらかへして泣く奴がある...
中勘助 「銀の匙」
...墨壺の水のゆるすだけを大きくなぐりつけて...
中里介山 「大菩薩峠」
...ぽとりと墨壺(すみつぼ)の底に落す...
夏目漱石 「虞美人草」
...印気(インキ)の切れる度毎(たびごと)に墨壺(すみつぼ)のなかへ筆を浸(ひた)して新たに書き始める煩(わずら)わしさに堪(た)えなかった...
夏目漱石 「余と万年筆」
...只(ただ)墨を磨たまゝ墨壺の中に入れて今日のインキのようにして貯えて置きます...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...ぴしりとたたきつける墨壺のはりきった糸...
本庄陸男 「石狩川」
...※墨壺(すみつぼ)...
柳宗悦 「工藝の道」
...ここに示す墨壺は明らかに商品ではない...
柳宗悦 「工藝の道」
...すでに墨壺としての一様式を示しているから...
柳宗悦 「工藝の道」
...真に墨壺(すみつぼ)の範疇(はんちゅう)的な美の域に達している...
柳宗悦 「工藝の道」
...大工の持つ墨壺(すみつぼ)を事の外(ほか)ほしがれでも...
柳田国男 「山の人生」
...「ごめんなさい、飲まされちゃったのよ」おかねは火鉢の脇へぺたりと横坐りになり、ほつれかかる髪の毛を、うるさそうにふうと口で吹いた、「あら、なんにも来てないのね、しょうのないお初だこと」「今日は二十一日だ」と彼は遮って云った、「私は帳合に来たんだ、今日が帳合をする日だということはわかっている筈じゃないか」「あら嘘よ」おかねはにらんだ、「今日は二十日じゃないの、二十一日は明日だわ」「今日が二十一日だ」「二十日ですよ」得石は矢立から筆を抜き取り、墨壺をあけた、「いいから帳面と金箱を持って来い」「そんなこといま急に云われたって困るわ、二、三日こっちいそがしくって帳面どころじゃなかったし、それに、ああそうだ、あなたが来たらお願いするつもりでいたんだわ」おかねはくなっと躯を捻(ひね)った、「ねえ、酒屋のほうが溜っていてうるさく催促をするの、済みませんけれど三両だけ都合をつけて下さいな」得石はじっと女の顔をみつめた、「――私は帳合をして金を受取りに来たんだ、十一日の勘定にも三両二分残しておいたのに、三両貸せとはどういうわけだ」「いま云ったじゃないの、酒屋がうるさく催促するからって」「それはいつの勘定だ」「先々月からのよ」得石は咳(せき)をし、指の背で口髭を撫でた、「酔っぱらって頭がどうかしたな、酒屋というのは播磨屋(はりまや)だろう、勘定は毎月きちんと払って、受取がちゃんと取ってあるじゃないか」「あら嘘よ、そのこと話したでしょ」「そのこととはなんだ」「播磨屋の番頭が悪いことをしていて、金を持って逃げたのよ」とおかねは云った、「半年もまえからで、うちで払った勘定も先々月から店へは入れてないんですって、あたし話さなかったかしら」「聞くのはいま初めてだ、しかしそれならこっちの知ったことじゃあない、こっちは払うものを払ってちゃんと受取を」おかねが手を振って遮った、「その受取がだめなの、播磨屋の受取とは紙も違うし印判も違うのよ」豊次というその番頭がどこかで刷らせた用紙へ、でたらめな印判を捺(お)したもので、気づかなかったのはこっちの手落ちだ...
山本周五郎 「五瓣の椿」
...ヂヨウヂ・サン三人の筆や墨壺が載せてあつた...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...墨壺(すみつぼ)のような暗さである...
吉川英治 「新書太閤記」
...墨壺の墨で大工が板へ引いた間取図面である...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
便利!手書き漢字入力検索