...「経験のないところに感動するってわけはないでしょう」彼は自分ながら皮肉な気持の増長するのを感じた...
有島武郎 「星座」
...魔者は何時(いつ)までも増長することはできない...
田中貢太郎 「赤い土の壺」
...しかし一つの恐怖心が次第に増長する...
ダウィット Jacob Julius David 森鴎外訳 「世界漫遊」
...いかに酔っていても、船長の命令に服するだけの常識は残っているだろうが、もし、それをきかない時は、この殿様が御自身手を下して、あんな奴を御成敗――といっても、人間はダラシがないにはないけれども、船としてはいま無くてならない人になっているあのマドロス、殿様もあれを失いたくはなくていらっしゃるだろうから、思い切った御成敗をなさるわけにはゆかない、そうすると、あれが増長する...
中里介山 「大菩薩峠」
...あまり増長すると...
中里介山 「大菩薩峠」
...百姓がいよいよ増長する...
中里介山 「大菩薩峠」
...これに反して電車や電話の設備があるにしても是非今日は向うまで歩いて行きたいという道楽心の増長する日も年に二度や三度は起らないとも限りません...
夏目漱石 「現代日本の開化」
...向うはますます増長するばかり...
夏目漱石 「坊っちゃん」
...「あの御婆さんの方がまだあの人より好(い)いでしょう」「どうして」「五円貰うと黙って帰って行くから」島田の請求慾の訪問ごとに増長するのに比べると...
夏目漱石 「道草」
...少し人間より強いものが出て来て窘(いじ)めてやらなくてはこの先どこまで増長するか分らない...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...あんまり増長すると――」「脅かす気かい...
野村胡堂 「大江戸黄金狂」
...女房が増長する――あツいけねえ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...近頃増長した野郎だな」「お互ひに増長するのは結構なたしなみぢやないよ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...老年になるに従つて増長するといふ「死の恐怖」が...
森鴎外 「妄想」
...この二つは彼らの成長とともに増長する...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...互いに支え合いつながり合って増長する...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...どこまでも増長する...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...憚(はばか)らず増長するのだ」と...
吉川英治 「梅里先生行状記」
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