...それはだん/\痛みが増して来て...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...彼女の肌に燃える光りはいよいよ明るさを増して来る...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...その僧と窕子との交際は次第に親しさの度を増して行つた...
田山花袋 「道綱の母」
...その間に停留所に立つ人の数はほぼ一定の統計的増加率をもって増して行く...
寺田寅彦 「電車の混雑について」
...だが恐らくカントは誰にも増して最も深くニュートンに動かされた十八世紀の哲学者であろう...
戸坂潤 「辞典」
...常にも増して広々としてる筈である...
豊島与志雄 「バラック居住者への言葉」
...その男の苦痛は増して来るというんだ...
夏目漱石 「明暗」
...あツと思ふと光はさツと速度を増してゐる...
原民喜 「鎮魂歌」
...禄を増して呉れろと云うような事は...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...しだいに快さを増して来た...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トニオ・クレエゲル」
...養子の横顔を澤はいつにも増して艶々(つやつや)しく思った...
水上滝太郎 「九月一日」
...あしたもしあなたのいやさも増していたらと閉口した心持です...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...常に増してみがき渡された各夫人たちの住居(すまい)を写すことに筆者は言葉の乏しさを感じる...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...御明神の風俗はそれにも増して鮮かなものであります...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...鼻を低くし、頬を痩せさせ、年齢を増して、声や背丈までも別人のように高くし得る変装術がこの世にあろうとは思われぬ...
夢野久作 「暗黒公使」
...濡れた白い花が日々咲き増していくのがよく分る...
横光利一 「欧洲紀行」
...この古い仏閣のような街の隅隅から今までかすかに光りをあげていたものが次第に光度を増して来るのだった...
横光利一 「旅愁」
...光度を世界に増していった夜明けの日本の姿も彼は思い出されて来るのだった...
横光利一 「旅愁」
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