...此等の愛憎や喜悲は我等の生活を刻々に新たなる境涯に漂はしめ...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...その時代に最も幸福な境涯に立つものは石川君...
石川三四郎 「浪」
...夢(ゆめ)うつゝの境涯(きようがい)にありながら右(みぎ)の時間(じかん)の暗算(あんざん)等(とう)にとりかかる癖(くせ)がある...
今村明恒 「地震の話」
...奇怪な境涯(きょうがい)に入る...
江戸川乱歩 「探偵小説の「謎」」
...それにお遊さんは望まれて行ったくらいでござりますから姑(しゅうとめ)にも御亭主にもたいへん大事にされまして実家にいましたときよりもずっと我がままにのんびりとくらしておりましたので後家になりましてからもときおり大勢の女中をつれて物見遊山(ものみゆさん)に出かけていくという風でそういう贅沢(ぜいたく)は自由に出来たのだそうにござりますからはたから見ればまことに気楽な境涯なのでござりまして...
谷崎潤一郎 「蘆刈」
...たゞわたくしはいったんのあやまちから一生おそばにおられぬような境涯におちましたけれども...
谷崎潤一郎 「盲目物語」
...私は近来しみ/″\物貰ひとも托鉢とも何とも要領を得ない現在の境涯を恥ぢ且つ悲しんでゐる...
種田山頭火 「行乞記」
...それが酒を味ふ境涯である...
種田山頭火 「行乞記」
...時雨を聴く(音の世界、いや声の世界)、私の境涯...
種田山頭火 「其中日記」
...生れるもの――個性的、境涯的、身辺的...
種田山頭火 「其中日記」
...私の境涯は――山頭火即俳句だ...
種田山頭火 「其中日記」
...自ら食うことを知っている境涯にありながら...
中里介山 「大菩薩峠」
...私はこれから孤獨の境涯に移つたのです...
長塚節 「教師」
...この奴隷(どれい)の境涯(きやうがい)がつく/″\呪(のろ)はしくなりました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...思ひ込ませるやうな日常の境涯に...
葉山嘉樹 「万福追想」
...いつも現在の自分の境涯を思ふと...
牧野信一 「滝のある村」
...嘱されて旧東京夏宵の追懐など閑文字を弄する境涯になつてゐられようとは...
正岡容 「旧東京と蝙蝠」
...こんな境涯になってからは...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
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