...まるで羊羹(ようかん)のような色に漬っているが、塩からくて、一切れあれば一度の茶漬が食えたほどで、私は羊羹などよりこれを好んだ...
青木正児 「九年母」
...「九時だな今打ったのは」と陸で聞くとおかしいほど大きな塩がれ声でいった...
有島武郎 「或る女」
...塩田大尉は小浜兵曹長をひきつれて...
海野十三 「怪塔王」
...これは塩からくて飲めやしない...
海野十三 「恐竜島」
...今塩谷氏の例を実見して...
大町桂月 「層雲峡より大雪山へ」
...遠く浦塩(ウラジオ)へ通ずる鉄路の果てが一線を引いて消える地平に...
谷譲次 「踊る地平線」
...当面の問題は日々の米塩だったから(ここでもまた...
種田山頭火 「『鉢の子』から『其中庵』まで」
...ひっくり返ってる塩入れなどがあって...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...鮎の塩焼や、赤い刺身や、白い水貝などは、殊に目をひきます...
豊島与志雄 「白い朝」
...米塩の供物が絶えませんでしたが...
豊島与志雄 「霊感」
...計らずもあの男に信州の塩尻峠の上で会ったのだが...
中里介山 「大菩薩峠」
...手塩にかけて育てたお嬢さんのお秀さんが縛られそうになっちゃ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...私に塩せんべいを一枚くれた...
林芙美子 「新版 放浪記」
...あとに塩をつめて創口を縫いあわせ...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...隠栖(いんせい)の場所は行平(ゆきひら)が「藻塩(もしほ)垂(た)れつつ侘(わ)ぶと答へよ」と歌って住んでいた所に近くて...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...丁度大塩父子(ふし)の率(ひき)ゐた手が高麗橋に掛かつた時で...
森鴎外 「大塩平八郎」
...塩野の視線を日本の内部へ今より深く潜り込ませてみたい気持ちを...
横光利一 「旅愁」
...失礼ですが御所属は?』『大坂の大塩平八郎配下にござります』『ああ洗心洞(せんしんどう)の』『計らずも山陽先生にお目にかかって...
吉川英治 「梅※[#「風にょう+思」、第4水準2-92-36]の杖」
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