...長い/\塀を繞(めぐ)らした厳(いか)めしい鉄格子の門が塙の家であった...
谷崎潤一郎 「少年」
...どう見ても塙団右衛門(ばんだんえもん)といったような形で...
中里介山 「大菩薩峠」
...後藤又兵衛と塙(ばん)団右衛門とが乗込んで来る...
中里介山 「大菩薩峠」
...塙団右ヱ門の孫の塙三郎丸(さぶろうまる)...
野村胡堂 「幻術天魔太郎」
...後に小島氏の姻戚となる塙氏では保己一が歿した...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...いわゆる塙(はなわ)という地の下の地なり...
柳田國男 「地名の研究」
...ハナワ、塙と書けり、山の差し出でたる処なりとあるのはあるいは『奥儀抄』によったのかも知れぬが、現今常陸(ひたち)稲敷(いなしき)地方で高い地所をハナワというのは事実である(茨城県方言集覧)...
柳田國男 「地名の研究」
...「塙団右衛門」「奴小万」なる乎...
山路愛山 「詩人論」
...塙代与九郎の家は三百五十石...
夢野久作 「名君忠之」
...左様な申立てで塙代奴を取潰いて...
夢野久作 「名君忠之」
...江戸流の捕物名人塙江漢老人の一子塙郁次郎と許嫁(いいなずけ)の間がらであるというのは奇縁である...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
...塙郁次郎(はなわいくじろう)ですか」「たしかに郁次郎だ...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
...――殊にほかならぬ塙江漢先生のご子息...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
...たしかに塙郁次郎! もう事件は解決したも同様だ! 一刻も...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
...塙郁次郎の軍鶏籠(とうまるかご)を見つめて...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
...恐い、仮面(めん)のようです」「ああ……ああ……」と、江漢は、さめざめと泣くように、そう言われた自分の顔を両手で掩(おお)って――「面目ない! わしは恥かしい!法縄(ほうじょう)を司る公人として三十年、江戸与力の先輩といわれ、めでたく、公職を完(まっと)うして、去年の秋、名月の夜には、その隠退祝いをかねて、世間の人々から、捕縄供養までして貰った身であるのに、その塙江漢が、今宵(こよい)という今宵ばかりは、闇夜の鳥も同様、眼も見えねば、心も見えぬ...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
...塙江漢の手蹟(しゅせき)である...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
...ところが――昼――夕刻――になっても塙江漢の方からは音も沙汰もない...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
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