...埃塗れの女乞食を見た...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...埃と汗に塗れた顏を...
石川啄木 「二筋の血」
...其外にも如何なる貴女紳士の春の粧いを凝らすの料ともなるべき粧飾品や化粧品が焦げたり泥塗れになったり破れたりしてそこらこゝらに狼籍散乱して...
内田魯庵 「灰燼十万巻」
...雨の日に刎ねた泥に塗れて散らかつてゐる...
鈴木三重吉 「胡瓜の種」
...彼が血塗れの短剣をポケットの中に隠していて...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...靴も泥塗れになり...
田中英光 「箱根の山」
...碎かれて血に塗れつゝ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...青か黒かの薄い色をレンズに塗れば眩しくない...
豊島与志雄 「黒点」
...血塗れになって悶(もだ)えて転がっている深雪の姿が...
直木三十五 「南国太平記」
...泥にさへいたく塗れて...
長塚節 「長塚節歌集 中」
...大骨折りで拔き出すと土に塗れた千兩箱とわかりました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...――とう/\この冬も壁が塗れずに終ひさうです...
牧野信一 「心象風景(続篇)」
...何れも疵(きず)物の瀬戸類が埃に塗れて白くなつてゐた...
三島霜川 「昔の女」
...塵に塗れて勢なく掛軸に影を置いた...
水野仙子 「四十餘日」
...また皮膚病にも塗れば治ったということは...
柳田國男 「日本の伝説」
...大阪市北区中之島付近の往来に泥塗れの乱れたるフロック姿を現わし...
夢野久作 「少女地獄」
...こちたく塗れるおしろいの顔...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...ルパンは鮮血に塗れて断岩(だんがい)の中腹に横たわりつつ...
モウリス・ルブラン 新青年編輯局訳 「水晶の栓」
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