...のみならずそこには「定休日」と書いた漆(うるし)塗りの札も下つてゐた...
芥川龍之介 「歯車」
...不思議な曲線で塗りつぶして行く...
江戸川乱歩 「恐怖王」
...芥川に永見と馬車(五圓で乘せて貰へた明治の名殘りの黒塗りの馬車)に乘せて貰つてゐたら...
小穴隆一 「二つの繪」
...おしずとおゆうさんとの違いは何よりもおしずにそういう芝居気のないところにあったと申しますのでござりまして裲襠(うちかけ)を着て琴をひいたり小袖幕(こそでまく)のかげにすわって腰元に酌をさせながら塗りさかずきで酒をのむような芸当はお遊さんでなかったら板につかないのでござりました...
谷崎潤一郎 「蘆刈」
...朱塗りの出前の荷と...
寺田寅彦 「柿の種」
...その白塗りの壁紙の下に絵画があるのを見い出した...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...日にやけた畳のうへにいろいろに塗りわけられた徳利形...
中勘助 「銀の匙」
...天地が墨の中へ胡粉(ごふん)を交ぜて塗りつぶしてゆかれるようです...
中里介山 「大菩薩峠」
...少女としての華やかさをすべてにわたって塗りつぶして...
中里介山 「大菩薩峠」
...三十六壁と云うと鏝(こて)の力で塗り固めたような心持がするが...
夏目漱石 「満韓ところどころ」
...私はセルロイド玩具(がんぐ)の色塗りに通っていた小さな工場の事を詩にして...
林芙美子 「新版 放浪記」
...お客の鼻を容赦なくつまみあげて石鹸を塗りたくるどんな理髪師よりも素早く...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...片頬に石鹸の泡を塗りつけた紳士の顔と...
ニコライ・ゴーゴリ 平井肇訳 「鼻」
...我ながらをかしさねんじあへてあるじをもここにかしこに追たてて壁ぬるをのこ屋中塗りめぐる家の狭さと...
正岡子規 「曙覧の歌」
...或いは僅(わず)かな板切れに粘土を塗り附けてひでの鉢に充(あ)てたものもあった...
柳田国男 「木綿以前の事」
...辞句も不明だし、諸所に、克明な筆で、塗りつぶしたり、書入れがしてある...
吉川英治 「三国志」
...白く塗りつぶしてしまったかと思うと...
吉川英治 「宮本武蔵」
...ニス塗りの床のうえに...
神西清訳 「ムツェンスク郡のマクベス夫人」
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