...宿とさし向つてる病院のペンキ塗りの高樓にその光りを鋭くぶちつけて...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...その死体を小べやの中に塗りこめてしまっていた...
江戸川乱歩 「影男」
...はや灯影をうつして旧家らしい塗り膳が運ばれた...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...懐しい「ベンボー提督」――彼は塗り換えられていたので...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...入雲洞君に・あんたとわたしをつないで雨ふる渡船宿直室も灯されて裸体像などが・待たされてゐる水音の暮れてゆく・宵月のポストはあつた旅のたよりを・旅のたよりも塗りかへてあるポスト二月二十三日晴...
種田山頭火 「其中日記」
...*つらき苦惱を救ふべく良藥塗りてかしづけり...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...白塗りで泥と塵(ちり)とにまみれ...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...先生は令夫人を失った原因をあるいはあなた一人の上に塗りつけようとしているのではないかと疑われることがある位です...
永井荷風 「つゆのあとさき」
...漆(うるし)を一面に塗り...
中里介山 「大菩薩峠」
...彼女はそれをコスメチックで塗り堅めた僕の頭や羽二重(はぶたえ)の足袋(たび)で包んだ僕の足よりもありがたがらないだろう...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...塗り油、摩擦油、薬品浣腸、入浴、冷水浴、カッピング、瀉血、も知られていた...
マクス・ノイバーガー Max Neuburger 水上茂樹訳 「医学の歴史」
...ヨーロッパと同じように梅毒の水銀治療は中国で何世紀にわたって行われた(塗り薬には灰色軟膏の代わりに水銀の赤色軟膏...
マクス・ノイバーガー Max Neuburger 水上茂樹訳 「医学の歴史」
...髪へ埃(ほこり)と煤を塗りこくった辛抱には驚いたよ」「…………」「八...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...塗り立ての墨の生々しさを見せて恐しく頑固(ぐわんこ)に突つ立つて居るのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...盲目(めくら)が杖(つえ)を振り回しでもするようにむやみに塗り立てた...
葉山嘉樹 「海に生くる人々」
...そんな一昔前に流行(はや)っていた紅殻塗りの小屋のことも...
堀辰雄 「朴の咲く頃」
...正義を色さまざまに塗りたて...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...筈(はず)を截(き)ったうえ下塗りをすればよいのだが...
山本周五郎 「日本婦道記」
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