...昔の煉瓦建(れんがだ)てをそのまま改造したと思われる漆喰(しっくい)塗りの頑丈(がんじょう)な...
有島武郎 「或る女」
...檣柱(マスト)も船体(ハル)も全部白塗りのスマートな三人乗りだ...
大阪圭吉 「死の快走船」
...一年に二十五ドルから百ドルまではらえば――この辺が全国の相場である――何世紀もかかった改良の結果である、ひろびろした部屋、清潔なペンキと紙、ラムフォード式煖炉、裏塗り、簾形日除(すだれがたひよ)け、銅製ポンプ、発条錠(ばねじょう)、便利な地下室、その他の多くのものの利益を享(う)ける権利が彼にあたえられる、というのである...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...朱塗りの出前の荷と...
寺田寅彦 「柿の種」
...かく膏油もて艶麗の身を塗り終り...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...一色に塗りつぶされた文学は...
豊島与志雄 「性格を求む」
...或者は紅(べに)を唇(くちびる)に塗り或者は剃刀(かみそり)にて顔を剃(そ)りつつあり...
永井荷風 「江戸芸術論」
...それも丹念に塗りたくって...
夏目漱石 「虞美人草」
...そこの畳に黒塗りぶちの大きな衝立(ついたて)がたっている...
長谷川時雨 「江木欣々女史」
...唇に蜂蜜を塗り、舌の先きで丁寧に嘗めまはしてゐたなか子は思ひ出したやうに立ちあがると、押入れから褞袍を出して嘉吉の裾へかけてやつた...
林芙美子 「朝夕」
...緑のペンキ塗りの陳列のなかのぴかぴか光る金色...
林芙美子 「新版 放浪記」
...イヒチオールを塗りまくる間に...
葉山嘉樹 「海に生くる人々」
...にぎにぎしく塗りあげられているので...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...壁に塗り込まれてある大きな鏡だつた...
牧野信一 「鏡地獄」
...同じく壁にかけられている目の醒めるような派手なドレス――朱塗りの鳥籠に青い鸚鵡(おうむ)が一羽いても...
正岡容 「艶色落語講談鑑賞」
...朱塗りの燭台が立て並べられて...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...わたしは識り合いのお歴々がたを、塗り消しや、折目も余白もない書簡紙に、我慢あそばされるように慣らしてしまった...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...自転車は木製鉄輪で朱塗りの粗末な代物...
山本笑月 「明治世相百話」
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