...夢が覚めてよかったと安堵(あんど)するその下からもっと恐ろしい本物の不吉が...
有島武郎 「星座」
...案じて安堵の山小屋より深切に多人數で搜しに來た...
泉鏡花 「遺稿」
...これで落着した訳です」警部は本当に安堵したらしい口調であった...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...取出して多年苦心の拙老に早く安堵をさしてくれ」「かしこまって御座りまする」滝之助は闇の山路を却(かえ)って幸いに...
江見水蔭 「怪異黒姫おろし」
...卒堵婆には、滿月ほどの大きさで車のやうな黒い鐵の輪のついてゐるのがあつて、その輪をからからして、やがて、そのまま止つてじつと動かないならそのした人は極樂へ行き、一旦とまりさうになつてから、又からんと逆にれば地獄へ落ちる、とたけは言つた...
太宰治 「思ひ出」
...町内の顔役たちは女房に寝物語してひそかにわが家の内福に安堵(あんど)するというような有様であった...
太宰治 「新釈諸国噺」
...ただ私がいくらか束の間の安堵をしたことには...
豊島与志雄 「或る女の手記」
...堵をなして潜んでゐるやうに感じられる...
中原中也 「海の詩」
...いまも何となしに正三に安堵の感を抱かせるのであつた...
原民喜 「壊滅の序曲」
...私は云ひやうもない安堵と...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...「……御身は近頃著述に耽り居る由過日村山氏より聞き及び母は嬉しく安堵いたし候...
牧野信一 「鏡地獄」
...ところが同じ熊野でも安堵峰辺で自ら聞いたは...
南方熊楠 「十二支考」
...さぞ安堵(あんど)なすったことでしょう」甲斐はあいまいに微笑した...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...私はこのように安堵(あんど)致した事は御座いませぬ...
夢野久作 「白髪小僧」
...少しも四民の安堵を計られぬため...
吉川英治 「大谷刑部」
...その儀はどうぞ御安堵(ごあんど)あって」「では」と...
吉川英治 「私本太平記」
...それでそちも安堵(あんど)であろうが』彦兵衛は...
吉川英治 「鍋島甲斐守」
...そのためには自分が残ってよかったという安堵に似たものもあった...
蘭郁二郎 「宇宙爆撃」
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