...悲壯と崇高とフモールとを表現するに堪へざる俳優は吾人にとつて用のない俳優である...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...何とは知らず堪へてゐた壓迫がなくなつて...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...その困難と負財増加とに堪へかね...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...充分生存競争に堪えうるほどに成長したころまでである...
丘浅次郎 「生物学より見たる教育」
...記者には不平で堪らなかつた...
薄田泣菫 「茶話」
...――それから事務員某の醜悪見るに堪えないかっぽれ踊り...
相馬泰三 「六月」
...この女を見るのに堪へられなくなつて...
武田麟太郎 「日本三文オペラ」
...それでも私は堪えている...
太宰治 「駈込み訴え」
...どうも此のまゝでは堪忍出来ないのであつた...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...堪らなく淋しかった...
豊島与志雄 「反抗」
...一週間の後(のち)私はとうとう堪え切れなくなって仮病(けびょう)を遣(つか)いました...
夏目漱石 「こころ」
...君がためひくかなしびの曲胸にそゝぐ涙のひぎき堪(た)へがたし...
長谷川時雨 「大塚楠緒子」
...その悲しみを堪へた人に對する無意識の輕蔑と入り混つた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...「汝(きさま)なんかにまけて堪るものか...
牧野信一 「疳の虫」
...その後ろ姿を見ると可憐に堪へられず...
牧野信一 「ベツコウ蜂」
...……おいちは彼が哀れで堪らなかった...
山本周五郎 「つばくろ」
...もう堪(たま)らなくなって...
夢野久作 「白髪小僧」
...冬なぞは嘸(さぞ)寒いだろうと同情に堪えぬ...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
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