...私は生きてゐることに堪へ得られない自分に対してさへその意気地なしに対してさへ腹を立てることが出来ません...
伊藤野枝 「遺書の一部より」
...早晩これを発表されるということを聞いて大いに我が意を得たるものであると喜びに堪えぬ...
大隈重信 「始業式に臨みて」
...到底歩行にも堪えないので俥に乗せられた...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...すこぶる等閑に付せられていることはわれらのつねにもっとも遺憾に堪えぬところであるゆえ...
丘浅次郎 「誤解せられたる生物学」
...わしはいつまでも堪(こら)えている...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...恋しさの情に堪えなかった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...惨めさにはなかなか堪え難い...
豊島与志雄 「バラック居住者への言葉」
...新らしい小さな箸箱(はしばこ)と茶呑(ちゃのみ)茶碗が出ている――おまっちゃんは露路の方を睨(ね)めて泣きたいのを堪えていた...
長谷川時雨 「源泉小学校」
...堪らなく眠くなって来ます...
浜尾四郎 「悪魔の弟子」
...彼にその困難を堪えしめた...
葉山嘉樹 「死屍を食う男」
...弓箭の任に堪へざるを以て...
原勝郎 「日本史上の奧州」
...見るに堪えぬ女の愁嘆は...
本庄陸男 「石狩川」
...実に堪らない口の悪臭をはあつと私の鼻に吐きかけた男に気づくと...
牧野信一 「心象風景」
...何ともわからぬので不思議に堪えなかった...
正岡子規 「くだもの」
...俳句類の極めて少ない事は不審に堪えぬ事であるが...
武者金吉 「地震なまず」
...伯父(おじ)様の感情を害するようなことはないはずだと私は思います」と言って羞恥(しゅうち)に堪えないように見えるのをかわいそうに宮は思召(おぼしめ)した...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...当時の見物は全く堪能した...
山本笑月 「明治世相百話」
...よろこびに堪えず...
吉川英治 「三国志」
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