...古河の町はずれの高い堤防の上まで帰って来たとき...
伊藤野枝 「転機」
...堤の柳は芽を吐(ふ)いてそれが柔かな風に動いていた...
田中貢太郎 「牡丹燈籠 牡丹燈記」
...堤防には幅が極まつて居る...
田中正造 「公益に有害の鑛業を停止せざる儀に付質問書」
...防波堤で大浪は遮ってあるのだが...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...川の堤防にさしかかった頃...
豊島与志雄 「幻覚記」
...右の二つの人影は、その謂(いわ)れある柳の老大樹の林の中から身を現わして、堤を越え、原を横切り、小径(こみち)を越えて、柳の中に入り、また柳の中を出でつして来たものらしかったが、ここに至って柳の老大樹の林を全く後ろにして、そうして広い原の真只中へ露出しました...
中里介山 「大菩薩峠」
...向うに堤――堤の下はところどころ立木...
長谷川伸 「瞼の母 二幕六場」
...水熊横丁と荒川堤に...
長谷川伸 「瞼の母 二幕六場」
...白い洲の上流は、河になつてゐると見えて、高い堤の上に、珍しい程メカニックな大きい吊橋(つりばし)がアーチのやうに架(かゝ)つてゐた...
林芙美子 「浮雲」
...私は堤の上の水道のそばに...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...松の並木道を越え堤に添つて...
牧野信一 「籔のほとり」
...隅田川堤の桜咲き匂ふ花の下道行きかへり見む到底厭味を脱却する能(あた)はずと相見え申候...
正岡子規 「人々に答ふ」
...いいえと云ったまんまどうしていいかわからない様にしてもとの堤に立って居た...
宮本百合子 「グースベリーの熟れる頃」
...「花堤夜色淡生烟」云々の次韻の詩がある...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...船は土堤の下に着いていた...
山本周五郎 「五瓣の椿」
...堤へ出た時、山根道雄が、「お町どの、ちょっと」と云って町を傍のほうへ誘った...
山本周五郎 「松林蝙也」
...水神松生ふる堤(つゝみ)の下へ...
横瀬夜雨 「筑波ねのほとり」
...対岸の堤のうえで...
吉川英治 「上杉謙信」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??