...その家は堤の下の一町歩ほどもある大きなりんご園の中に建ててあった...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...後の調べによると、西谷田一カ村の被害だけでも、死亡四名、家畜の斃死千二百余頭、家屋倒壊百五十戸、破損三百五十戸、浸水四百十六戸、田畑の流没二十一町、土砂侵入七十四町、浸水七百九十五町、堤防決潰五カ所、破損二十四カ所、橋の流失十六個という凄じさで、もって沿岸一帯の被害がどれほどのものかを覗うに足りた...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...土堤の上を時々陽気なスピードでトラックが走った...
戸田豊子 「鋳物工場」
...望楼の上にねそべつたり防波堤の上に頬杖ついたりしながら眺め...
ボードレール 富永太郎訳 「港」
...彼は自分のすぐ後ろの土堤(どて)の頂にだれかがやってきて立ち止まったのを...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...飛鳥山隅田堤御殿山等の桜はいずれも上野につぐものである...
永井荷風 「上野」
...それから更に川に添つた堤を歩いてゆく...
原民喜 「壊滅の序曲」
...人里離れた乾沢地の低い築堤のそばまで来かかった...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...その土堤(どて)のそばへ車を停め...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...プールに返り波をうたせながらゆるゆると内防波堤の口のほうへ進んでいった...
久生十蘭 「復活祭」
...――二人の女が堤の草原に腰を降して...
牧野信一 「R漁場と都の酒場で」
...それから、その堤根を、ましらのような素早やさで、南へ駆ける闇太郎の、目あてとするのは、これから五、六町行ったあたりに、住持が女犯(にょぼん)でさらし物になってから、住むものもなく大破した、泰仁寺(たいにんじ)という寺があるのを思い出したからだ...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...能方(のうかた)川を渡り岩はな堤を経て小竹堤を行く...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...すでに三回も堤が崩れたりして...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...堤の下の森の中を運河の方へ上つて來る娘の姿が木の間から一寸目にとまつた...
横光利一 「悲しみの代價」
...突堤に積み上げられた樽の上で...
横光利一 「上海」
...加茂川堤(どて)に近かった...
吉川英治 「私本太平記」
...堤を断(き)った水脚(みずあし)のように...
吉川英治 「茶漬三略」
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