...(六月十二日夜)(六) 信念の巌世に、最も恐るべき、最も偉大なる、最も堅牢なる、而(しか)して何物の力と雖(いへ)ども動かし能はざるものあり...
石川啄木 「閑天地」
...信念の一字は実にこの世界の最も堅牢なる城廓にてある也...
石川啄木 「閑天地」
...四壑のために鉄より堅牢なる箍(たが)を匝(め)ぐらしたるもの...
宇野浩二 「それからそれ」
...年々少し宛溜つた泥が厚さ十里以上もある堅牢な岩石になる迄には...
丘浅次郎 「人類の誇大狂」
...堅牢な函板は簓(ささら)のように木膚がそそけ立っていた...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...しかもこの緻密にして堅牢なる材質が...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...ここの堅牢な石造の建物は...
アネッテ・フォン・ドロステ=ヒュルスホフ Annette von Droste=Hulshoff 番匠谷英一訳 「ユダヤ人のブナの木」
...惡材料で堅牢な建築ができる筈はない...
長岡半太郎 「プランク先生の憶い出」
...その大壁画の雄渾(ゆうこん)にして堅牢なる...
中里介山 「大菩薩峠」
...高さ六尺ほどの堅牢な板囲いが円形に取り繞らされ...
野上豊一郎 「闘牛」
...私の議論の堅牢な基礎にならんとしてゐるのだ...
平林初之輔 「エミイル・ゾラの文学方法論」
...見かけだけは堅牢な家庭生活を築き上げていた...
平林初之輔 「犠牲者」
...家は堅牢なる建築にて未だ古びをらず...
エドガア・アルラン・ポオ Edgar Allan Poe 森林太郎訳 「病院横町の殺人犯」
...堅牢な一大荘厳――思想も言葉も絶したんだ...
ホーフマンスタール Hugo von Hofmannsthal 木下杢太郎訳 「チチアンの死」
...コンクリートの堅牢な工事も...
三澤勝衛 「自力更生より自然力更生へ」
...大地をささげて堅牢ならしむる女神とあり...
山本笑月 「明治世相百話」
...殊(こと)に陸に沿うた左の方には天井を硝子(ガラス)張にした堅牢な倉庫が無数に並んで居る...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...羊毛を重ねて製した粗末な併し堅牢な※子(テンツ)(毛氈)で二重に包まれる...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
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