...長次郎氏は石のやうに堅い人間に出来上つた...
薄田泣菫 「茶話」
...ツルウメモドキはどんな堅い木にでもからみついて溝をつくりそれをくだいてしまい...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...あの物堅い父に私は何といわれるでしょう」お島は迹(あと)から附絡(つきまと)って来る川西の兇暴な力に反抗しつつ...
徳田秋声 「あらくれ」
...堅いのを見込まれて...
徳田秋声 「仮装人物」
...堅い婦人達は相手にしなかった...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...その厚ぼったい肉片、堅い一片のパン、手製のコーヒー一杯、それだけで彼は山海の珍味とした...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...物堅いあなたのことですから...
中里介山 「大菩薩峠」
...今日米国のデモクラシーが淵源深く基礎が堅いと称するのである...
新渡戸稲造 「平民道」
...口やかましくて、手堅い性分で、なまけ者や誤魔化(ごまか)しを見ていることの出来なかった総兵衛でしたが、その一面には慈悲の心にも富み、信心も篤(あつ)く、まず町人としては申分のない人柄で、人に殺されるはずもないようですが、物事に容赦(ようしゃ)のない性格が、とんだ怨(うら)みを買ったのかもわかりません...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...畝織の手堅い長上着にはそれとなき布地のほつれが見え...
久生十蘭 「カストリ侯実録」
...一元的唯物論の立場から諸々の自然現象を洞察しようとする堅い意志を持つた理論家であつた...
牧野信一 「ゾイラス」
...手堅い渋い話術の中に警抜な警句を言い放ち...
正岡容 「わが寄席青春録」
...堅い言質をかけて誓つたではないか...
宮地嘉六 「煤煙の臭ひ」
...「やつぱし何かかう手堅い仕事を見つけなくちや駄目よ...
室生犀星 「蒼白き巣窟」
...堅い店だと云うことを呑み込んで...
森鴎外 「心中」
...面上に堅い決意と憤りとをたたえながらこう説明した...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...森さんのお堅いのは立派だけれど...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...あの物堅い老人ゆえ...
吉川英治 「無宿人国記」
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