...むかし物語によくあります、峰の堂、山の祠(ほこら)で、怪しく凄(すご)い神たちが、神つどいにつどわせたという場所へ、破戒坊主が、はい蹲(つくば)ったという体で、可恐(おそろ)し可恐し、地蔵様の前に踞(しゃが)んで、こう、伏拝む形(なり)をして、密(そっ)と視たんで...
泉鏡花 「唄立山心中一曲」
...最高峰の観音堂は『八犬伝』に由(よ)ると義実(よしさね)の建立となってるが...
内田魯庵 「八犬伝談余」
...十二月五日漱石虚子様その奥には漾虚碧堂蔵書という隷書(れいしょ)の印が捺(お)してある...
高浜虚子 「漱石氏と私」
...「変なじじいさ」砂馬は慷堂のことをそう言って...
高見順 「いやな感じ」
...華月堂というお菓子屋がございましたでしょう...
太宰治 「誰も知らぬ」
...そのころのアリョーシャは堂々たる体格に...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...新しい木造の天主堂もできあがって一年以上になるので...
永井隆 「この子を残して」
...をいってじぶんの寝床のある『食堂』までひきさがると卓の上に立てた薄暗い蝋燭の光の下へノートをひろげて...
久生十蘭 「キャラコさん」
...堂々たる風采の男で...
ニコライ・ゴーゴリ 平井肇訳 「鼻」
...私が病院食堂に入ると小森たちがいた...
平光吾一 「戦争医学の汚辱にふれて」
...納骨堂のあたりで暫く雲を眺めてからそこを通ると...
北條民雄 「牧場の音楽師」
...本堂の檐(のき)の下には板を掲げて白星黒星半黒星などを画(えが)き各人来年の吉凶を示す...
正岡子規 「墨汁一滴」
...河向うにある地蔵堂の絵馬額(えまがく)の裏へ...
吉川英治 「篝火の女」
...天堂一角だけである...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...六波羅地蔵の蒼古(そうこ)とした堂が見える...
吉川英治 「源頼朝」
...岐阜に来て会堂を建て説教するがよい...
和辻哲郎 「鎖国」
...眠るくらいならなぜ出家して禅堂に入ったのだ...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
...仏像堂塔の類は真理への道に何の益するところもない...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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