...其處まで歩かうと堀端傳ひに歩き出して...
徳田秋聲 「媒介者」
...人通のない堀端を幸(さいわい)に...
永井荷風 「つゆのあとさき」
...」二人は夜ふけの風の涼しさと堀端のさびしさを好い事に戯れながら歩いて新見附(しんみつけ)を曲り...
永井荷風 「つゆのあとさき」
...君江の家はあの広告のついたり消えたりしている横町だと思うと、一昨日から今夜へかけてまず三日ほど逢わないのみならず、先刻(さっき)富士見町で芸者から聞いたはなしも思い出されるがまま、とにかくそっと様子を窺(うかが)って置くに若(し)くはないと思定め、堀端を歩いて、いつもの横町をまがった...
永井荷風 「つゆのあとさき」
...すぐさま新見附へ出て知らず知らず堀端の電車通へ来た...
永井荷風 「つゆのあとさき」
...堀端からはハーモニカや流行唄が聞え...
永井荷風 「帝国劇場のオペラ」
...牛乳配達夫のような足袋跣足(はだし)にメリヤスの襯衣(シャツ)を着て手拭で鉢巻をした男が四五人堀端の方へと路地をかけ抜けて行った...
永井荷風 「花火」
...半蔵御門(はんぞうごもん)より外桜田(そとさくらだ)の堀あるいはまた日比谷(ひびや)馬場先(ばばさき)和田倉(わだくら)御門外(ごもんそと)へかけての堀端(ほりばた)には一斉に柳が植(うわ)っていて処々に水撒(みずまき)の車が片寄せてある...
永井荷風 「日和下駄」
...草臥(くたびれ)る所迄堀端(ほりばた)を伝(つた)つて行く気になつた...
夏目漱石 「それから」
...浅草新堀端のこの道...
正岡容 「寄席」
...継父と偕に浅草新堀端善照寺隠居所に住んだ...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...堀端(ほりばた)を西へ...
森鴎外 「大塩平八郎」
...堀端にある老松のほかに松らしい松は一本もみあたらなかった...
山本周五郎 「青べか物語」
...堀端で夏の終りの風に吹かれていたときのように...
山本周五郎 「あだこ」
...その堀端に五、六軒、小料理屋がとびとびにあって、その端の一軒で「すみよし」と紺地に白く、仮名で染め抜いた半のれんを、軒先に掛けている女がいた...
山本周五郎 「さぶ」
...昨日(きのう)の日附で堀端(ほりばた)銀行の二千円の小切手を誰かに与えている事がわかった...
夢野久作 「二重心臓」
...堀端銀行が開くと同時に二千円を引出して行った者が居るという...
夢野久作 「二重心臓」
...堀端の施行(せぎょう)小屋の前から横道へそれて...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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