...執拗に鍬を使ひ出すのだつた...
芥川龍之介 「庭」
...重さを置くに足らざる意識を執拗に把住する人格の矮小を恥づるのである...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...それの後作用を執拗に刺激したり追求したりしない...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...そしてなお執拗に影人形の遊びを続けました...
豊島与志雄 「影」
...私に向けられる視線はなお執拗になったが...
豊島与志雄 「程よい人」
...對象に向って執拗にくいさがって行く手際の良さは無類である...
アネッテ・フォン・ドロステ=ヒュルスホフ Annette von Droste=Hulshoff 番匠谷英一訳 「ユダヤ人のブナの木」
...そして、それを執拗に、大仰らしく調べている綱手へも腹が立ってきた...
直木三十五 「南国太平記」
...もう運動会始まるよ」あまり執拗にすすめるので...
中村地平 「霧の蕃社」
...私の眼は再び執拗に障子の隙間に吸い付かなければなりませんでした...
西尾正 「陳情書」
...三月越し執拗に口説いた擧句...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...執拗に鳥居甲斐守の苦り切った顔を追います...
野村胡堂 「礫心中」
...執拗に生きてつきまとっているように思われた...
萩原朔太郎 「ウォーソン夫人の黒猫」
...渺たる私たちを環魚洞の風景が執拗に抱きたがつた...
牧野信一 「環魚洞風景」
...人々が同一程度の消費を維持しようと執拗に頑張るので...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...執拗に殘りなく描かなければ承知しない...
水上瀧太郎 「覺書」
...その良き事のために強く執拗に永続的に挺身しようと言う意志をも含めた忠誠――と「食うこと」は...
三好十郎 「俳優への手紙」
...執拗にこれを禁止する...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...「一ノ関が、あの三カ条の誓紙を、返せと云って来ている」と新左衛門はとぎれとぎれに云った、「昨日、二人で来て、断わったが承知しない、いまもまた、来ているそうだ、これで、あの誓紙がどんな意味をもつか、船岡にもわかるだろう」「もう話しはよせ、また苦しむだけだ」「これだけは聞いてもらう」と新左衛門は続けた、「三力条の誓紙は、必ず、ものをいうときが来る、だからこそ、一ノ関は執拗に、取返そうとするのだ、あれはいつか、必ずものをいうだろう、私は誓紙を采女(うねめ)(養嗣子)に遺す、七十郎に持っていってもらって、采女の手に渡す、決して一ノ関へは返さない」そのことを覚えていてくれ、と新左衛門は云った...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??