...さきなる埒(らち)にて留まらず...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...子供心の埒もなく...
石川啄木 「散文詩」
...不埒(ふらち)ともいうべき若いのは...
泉鏡花 「薄紅梅」
...立ち話位では埒(らち)の明かない話……それはまず次のようなわけ……若井氏はフランスに美術店を出している...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...なかんずく秀吉公は毛利ぜいとのあつかいをさっそくに埒(らち)あけ...
谷崎潤一郎 「盲目物語」
...北支那に於ける諸勢力の不埒な排日排満の動きを直接目にしているわけではないから...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...その盗賊の詮議(せんぎ)も今以て埒(らち)が明かず...
中里介山 「大菩薩峠」
...けれども、そう話がわかりゃそれでもいいんだ」福兄はそれで、どうやら納まりかけた時に、神尾主膳が、「お角、今に始まったことではないが、お前の腕の凄いのには恐れ入った」改まったような言いがかりだから、お角も用心して、「殿様、改まって何をおっしゃるのでございます」「しらを切っちゃいかん、お前が今度の房州行きなんぞは運もよかったが、腕の凄さは、いよいよ格別なものだ」「神尾の殿様、そんな気味の悪いことをおっしゃっておどかしちゃいけません、こう見えても気が小さいんですからね」「あんまり気が小さいから、少しはオドかして、大きくしてやらぬことにはしまつがつかん」「何をおっしゃるんですか、わたしには一向わかりません」「お前にはわかるまいが、こっちには、すっかり種が上っているんだ、房州へ行って命拾いをして来た上に、金箱を背負(しょ)い込んで来て、それでなにくわん面(かお)をして口を拭っているところなんぞは不埒千万(ふらちせんばん)だ、なあ、福」主膳が福兄を顧みると、福兄は一も二もなく頷(うなず)いて、「そうですとも、そうですとも、ありゃ実際、不埒千万ですよ、あれはただじゃ置けませんよ」「福兄さんまでが殿様に御加勢なんですか、金箱とおっしゃったって、まだ分らないじゃありませんか、まだ乗るか反(そ)るか、打ってみなけりゃわからないじゃありませんか」お角は外(そ)らしてしまおうとすると、神尾はそれを取って抑えて、「その手は食わん、金箱というのは、茂太(もた)とやら茂太(しげた)とやらいう小倅(こせがれ)のことではない、そのほかに確かに見届けたものがあるのじゃ...
中里介山 「大菩薩峠」
...埒もない無駄話でのう」蔵人は調子に乗って...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...錢形平次の叡智も一向埒(らち)があかぬまゝ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...その代りお梅殺しの巳之松を貰つて行くから」「それぢや」この交換は極めて簡單に埒(らち)があきました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...全く埒もない事です...
林芙美子 「大島行」
...人(ひと)は腮(あご)のはづるゝ可笑(をか)しさとて笑(わら)ひ轉(こ)ける樣(やう)な埒(らち)のなきさへ...
樋口一葉 「われから」
...放埒な遊び人であることはその顔を見れば一目で分る! 燃えるやうな緋の寛袴(シャロワールイ)に*ジュパーンをまとひ...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...平生(つね)なら持合せの黒い拳固(げんこ)一撃(ひとうち)でツイ埒(らち)が明きそうな小男が飛で来て...
ガールシン 二葉亭四迷訳 「四日間」
...遂に彼を「不埒な男」とした中流...
宮本百合子 「傷だらけの足」
...真っ平ご用捨下されい」「抜刀を手にしてお駕近くへ駈け込むとは不埒(ふらち)な奴...
吉川英治 「剣難女難」
...不埒(ふらち)な奴は...
吉川英治 「親鸞」
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