...『大分世帯に染(しゆ)んでるらしい目立つ鹿の子の油垢』調子は例によつてうき/\として居るが...
高浜虚子 「斑鳩物語」
...垢(あか)だらけに濁った薬湯(くすりゆ)のような連想を起させるのである...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...疊敷のところには汚い垢じみた寢蒲團が何枚かつまれてあるのを見た...
田畑修一郎 「南方」
...無垢の少女を誘惑したとか...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...垢と髯だらけの六人の者を見出しました...
豊島与志雄 「北極のアムンセン」
...垢(あか)じみた顔を出してひやかすものもある...
永井荷風 「つゆのあとさき」
...柱に垢をつけながら神聖なお説教がぽつりぽつりと話されるのを聴いてゐる...
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー Jean Nicolas Arthur Rimbaud 中原中也訳 「ランボオ詩集」
...その上に垢(あか)が一面に塗りつけてあるから...
夏目漱石 「坑夫」
...赤や浅黄(あさぎ)の無垢(むく)を重ね...
長谷川時雨 「一世お鯉」
...二日目は小屋のある垢離場から両国の広場にかけて身動きも出来ぬような混雑...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...その少女の未完成と無垢とが彼女の墓の戸を開いたままにさせてをり...
ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 堀辰雄訳 「ドゥイノ悲歌」
...封建のモラルをそれなりその無垢を美しさとして肯定して書いた第一作から...
宮本百合子 「鴎外・芥川・菊池の歴史小説」
...白無垢(しろむく)に白襷(しろだすき)...
森鴎外 「阿部一族」
...美醜の二も絶えた無垢(むく)のものなのである...
柳宗悦 「民藝四十年」
...手垢(てあか)でよごれ...
山本周五郎 「季節のない街」
...いつも垢(あか)のつかないさっぱりした物を着ていたし...
山本周五郎 「季節のない街」
...そうした彼女の気持の清浄無垢さを誇りたい彼女の心の奥の何ものかが...
夢野久作 「少女地獄」
...日向(ひなた)で臍(へそ)の垢(あか)ばかり取ってやがる」と...
吉川英治 「新書太閤記」
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