...風雨に曝され垢にまみれたその皮膚は無気味な...
伊藤野枝 「火つけ彦七」
...今(いま)この無垢(むく)の血(ち)を有(も)つてゐる主(しゆ)の幼児(をさなご)の頸(くび)に血(ち)を吸取(すひと)つてやらうと...
マルセル・シュヲブ Marcel Schwob 上田敏訳 「癩病やみの話」
...垢(あか)ぬけした化粧に歯ぎれのよい口調...
田中英光 「野狐」
...垢(あか)でよごれた顔の地肌(じはだ)におしろいを叩(たた)き込んで...
谷崎潤一郎 「細雪」
...襟垢(えりあか)が附いて...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...飯櫃の話・苔と垢三月九日曇...
種田山頭火 「松山日記」
...白無垢の婦人、白衣の看護婦、黒い洋服の若い医師、急拵(きゅうごしら)えの紋を透綾(すきや)の羽織に張(は)った親戚の男達、其等が棺の前後に附添うた...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...垢と煤とでこけらの生えた身体に焼けこげだらけの襤褸(ぼろ)をき...
中勘助 「銀の匙」
...垢(あか)だらけの綿(めん)ネルシャツの袖口(そでぐち)は金ボタンのカフスと相(あい)接した...
永井荷風 「深川の唄」
...つまり文学の爪だの垢くらゐには関係のあることを何かと云々して...
中原中也 「非文学的文士」
...自然に現れる無垢な得心を...
デイビッド・ヒューム David Hume 井上基志訳 「人間本性論(人性論)」
...仮令(たとい)襟垢(えりあか)の附いた物にもせよ...
二葉亭四迷 「平凡」
...彼は白無垢(しろむく)の布を肩から吊(つ)って...
本庄陸男 「石狩川」
...主君邦夷の笠の緒が垢(あか)によごれて黝(くろず)んでいるのを発見した...
本庄陸男 「石狩川」
...いまの為政者には耳の垢(あか)でもない...
吉川英治 「私本太平記」
...裸体になって水垢離(みずごり)をとっている者がある...
吉川英治 「親鸞」
...垢(あか)じみた破れ直垂(ひたたれ)一枚で...
吉川英治 「源頼朝」
...洗わない蓮根みたいに垢(あか)で埋まった顔をしている...
吉川英治 「宮本武蔵」
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