...黒髪は水が垂りそう...
泉鏡花 「浮舟」
...新町の月影に、露の垂りそうな、あの、ちらちら光る撥音(ばちおと)で、……博多帯しめ、筑前絞り――と、何とも言えぬ好(い)い声で...
泉鏡花 「歌行燈」
...甘い露の垂りそうな瓜に対して...
泉鏡花 「瓜の涙」
...ことし六十(むそ)あまり二つの老を重ねて白髮(しらが)かき垂り齒脱けおち見るかげなし...
伊良子清白 「孔雀船」
...裳(も)の緒(ひも)を陰(ほと)に押し垂りき...
稗田の阿礼、太の安万侶 「古事記」
...悉に常に血(ち)垂り六爛(ただ)れたり」とまをしき...
稗田の阿礼、太の安万侶 「古事記」
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長塚節 「長塚節歌集 上」
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長塚節 「長塚節歌集 中」
...紅緑の花咲く蓼や秋の色水際に蓼の垂り穂や秋の晴れ我が姿水に映つして蓼の花一川の岸に穂を垂る蓼の秋秋深けて冴え残りけり蓼の花ボントクタデ(飯沼慾斎著『草木図説』の図)(下方の花穂の一部ならびに果実の二つは牧野補入)婆羅門参キク科の一植物に...
牧野富太郎 「植物一日一題」
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三好達治 「一點鐘」
...女の童は私どもの左の手が自然にその垂り髪を撫でるに都合のよい三尺から四尺の童をよろしとします...
室生犀星 「ザボンの実る木のもとに」
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室生犀星 「抒情小曲集」
...一本の稲の垂り穂も...
吉川英治 「黒田如水」
...船にしていまは夜明けつ小雨降りけぶれる崎の御熊野(みくまの)の見ゆ日の岬潮岬は過ぎぬれどなほはるけしや志摩の波切(なきり)は雨雲の四方(よも)に垂りつつかき光りとろめる海にわが船は居る勝浦の港に入る時は雨はなほ降つてゐた...
若山牧水 「熊野奈智山」
...朝づく日峯をはなれつわが歩む溪間のわか葉青みかがやく朝づく日さしこもりたる溪の瀬のうづまく見つつ心しづけき溪合にさしこもりつつ朝の日のけぶらふところ藤の花咲けり荒き瀬のうへに垂りつつ風になびく山藤の花の房長からず溪間と云へばおほく其處に多い温泉を見逃がすわけにはゆかぬ...
若山牧水 「樹木とその葉」
...朝ばれのいつかくもりて眞白雲峰に垂りつつ蛙鳴くなり下ばらひ清らになせし杉山の深きをゆけばうぐひすの啼くつぎつぎに繼ぎて落ちたぎち杉山のながき峽間(はざま)を落つる溪見ゆしらじらとながれてとほき杉山の峽(かひ)の淺瀬に河鹿なくなり湖もいゝ...
若山牧水 「樹木とその葉」
...帽子のさきに垂れてゐる松の葉のさきからぼつり/\と雫が垂りだした...
若山牧水 「樹木とその葉」
...むきむきに枝の伸びつつ先垂りてならびそびゆる老松が群風の音こもりてふかき松原の老木の松は此處に群れ生(お)ふ横さまにならびそびゆる直幹の老松が枝は片なびきせり張り渡す根あがり松の大きなる老いぬる松は低く茂れり松原の茂みゆ見れば松が枝に木がくり見えて高き富士が嶺末とほくけぶりわたれる長濱を漕ぎ出づる舟のひとつありけり...
若山牧水 「樹木とその葉」
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