...坦々(たんたん)砥(と)の如き何間(げん)幅(はば)の大通路を行く時も二葉亭は木の根岩角(いわかど)の凸凹(でこぼこ)した羊腸折(つづらおり)や...
内田魯庵 「二葉亭追録」
...すべてこれ等の汽船は坦々(たんたん)たる道路の如(ごと)くこの海原を航行しているのである...
高浜虚子 「別府温泉」
...山下の坦々たる一と筋の新道は双子山の裾をめぐつて長いリボンを展べたやうに遠く...
近松秋江 「箱根の山々」
...その新味の少い坦々たる叙述を超えて...
豊島与志雄 「異邦人の意欲」
...道は坦々としているし...
トルストイ 米川正夫訳 「クロイツェル・ソナタ」
...坦々たる平原都市の大路ではないか...
中里介山 「大菩薩峠」
...殆んど坦々たり...
長塚節 「草津行」
...坦々たる大道の存在を足利時代以前に想像することは不可能であるからして...
原勝郎 「東山時代における一縉紳の生活」
...精進湖(しょうじこ)までつづく坦々(たんたん)たるドライヴ・ウェイをゆっくりと歩いていた...
久生十蘭 「キャラコさん」
...ここは仏蘭西の※を縦に貫く坦々たる国有道路(ルウト・ナシォナアル)...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...行手は至極坦々たるものである――岡はいつでも木兎のやうな沈黙家で...
牧野信一 「心象風景(続篇)」
...心はいつも平々坦々(へいへいたんたん)である...
牧野富太郎 「植物知識」
...一日に千個も坦々(たんたん)と描き...
柳宗悦 「益子の絵土瓶」
...大和郡山(やまとこおりやま)からここまでの坦々(たんたん)たる道...
吉川英治 「新書太閤記」
...坦々(たんたん)たる街道とちがい...
吉川英治 「新書太閤記」
...坦々(たんたん)たる平地を歩くようなものであったら...
吉川英治 「新書太閤記」
...行くときには坦々(たんたん)と走れた道が...
吉川英治 「随筆 私本太平記」
...道も坦々(たんたん)としていて...
吉川英治 「宮本武蔵」
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