...まるで放心したのも同前で、べったりそこへ腰を抜いたなり、ちょうど嵐の海のように右にも左にも屋根を落した家々の上へ眼をやって、地鳴りの音、梁(はり)の落ちる音、樹木の折れる音、壁の崩れる音、それから幾千人もの人々が逃げ惑うのでございましょう、声とも音ともつかない響が騒然と煮えくり返るのをぼんやり聞いて居りました...
芥川龍之介 「疑惑」
...ぐぐぐぐッと地鳴りのような響がして...
海野十三 「火星探険」
...底力のある物音が地鳴りのように...
海野十三 「火葬国風景」
...地鳴りのような怪音が...
海野十三 「蠅」
...従って地鳴りの現象を生じていたのが...
寺田寅彦 「怪異考」
...地鳴りのような響きが遠くかすかに聞えてくると...
豊島与志雄 「憑きもの」
...地鳴りをするほどに...
中里介山 「大菩薩峠」
...軽い地鳴りで揺れるのがよい心持です...
中里介山 「大菩薩峠」
...それに地鳴りとに脅される日がずっと続いた...
中谷宇吉郎 「天地創造の話」
...あの地鳴りの音を聞きながら...
林芙美子 「新版 放浪記」
...地鳴りのような声でほえたてた...
久生十蘭 「キャラコさん」
...どすどすと凄(すご)い足音が地鳴りのように響いて来る...
北條民雄 「いのちの初夜」
...はげしい地震や地鳴りのなかで...
宮沢賢治 「グスコーブドリの伝記」
...地鳴りが聞こえて震動の始まるころには上昇し始め...
武者金吉 「地震なまず」
...どうッと地鳴りが響いたら一朝のまに鎌倉の大廈(たいか)は世にあるまい」「……どれ」と能登はわざと...
吉川英治 「私本太平記」
...一ときのまに異常な恐慌状態が洛内中に地鳴りをおこしていたのである...
吉川英治 「私本太平記」
...たちまちそれまでの行軍序列はドドドドと地鳴りしてくずれ立ち――くずれたかと見るまにまた...
吉川英治 「新書太閤記」
...――それが、地鳴りをたてて、近々と、射程距離(しゃていきょり)にまで迫ったとき、見すましていた堀久太郎は、「撃てッ」と、下知(げち)した...
吉川英治 「新書太閤記」
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