...うん聞えるぞ!」旗男は地獄で仏に会うの思(おもい)だった...
海野十三 「空襲警報」
...今宵(こよい)だけでも大みそかの火宅(かたく)からのがれる事が出来ると地獄で仏の思い...
太宰治 「新釈諸国噺」
...その度に地獄で仏に会ったような気がするのであった...
寺田寅彦 「ベルリン大学(1909-1910)」
...地獄で仏と云う諺(ことわざ)も記憶していたが...
夏目漱石 「坑夫」
...地獄で仏の心持だったでしょう...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...地獄で仏といった安堵(あんど)の顔になります...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...地獄で仏とはこのことかしら...
長谷川伸 「一本刀土俵入 二幕五場」
...第十四章 地獄で仏アイダがランプの下に紙をかざした...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部」
...地獄で仏に――西洋のことだから神様だが――その神様に会ったように喜んでいる...
牧逸馬 「戦雲を駆る女怪」
...地獄で仏とはこのことではないかと私は有頂天になって喜んでしまいました...
三浦環 「お蝶夫人」
...その時の祖母の喜びようと来たら全く地獄で仏に会ったようであったが...
夢野久作 「謡曲黒白談」
...伊、伊兵衛、来てくれたのか……」と馬春堂は茫然となった後に、地獄で仏、感極(きわ)まったもののように、水やらはなやらポロポロとこぼし、「どうもこうもない、一刻も早くこの死地を逃げ出さなければならないところだ...
吉川英治 「江戸三国志」
...地獄で仏に...
吉川英治 「三国志」
...大勢の供を道ばたにのこして、一人こっちの方へ近づいて来る騎馬の武将を見いだすと、「オ、六角(ろっかく)殿でしたか」と、兼好の顔には、旧知の人に会ったとするなつかしみよりは、すぐ地獄で仏と、すがりたいようなものが正直に出てしまった...
吉川英治 「私本太平記」
...扈従(こじゅう)の人々は、口々に、「まこと、地獄で仏」と、云い合ったが、家康はかくべつなよろこびも示さず、「正信であったか...
吉川英治 「新書太閤記」
...ありゃあ弦之丞様じゃねえか」地獄で仏のよろこばしさをそのままに...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...吉野太夫っていう人の召使(めしつかい)なの」地獄で仏に会ったような顔を見せ...
吉川英治 「宮本武蔵」
...城太郎は地獄で仏に会ったように...
吉川英治 「宮本武蔵」
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