...土用波(どようなみ)という高い波が風もないのに海岸に打寄(うちよ)せる頃(ころ)になると...
有島武郎 「溺れかけた兄妹」
...私たち三人は土用波(どようなみ)があぶないということも何も忘れてしまって波越(なみこ)しの遊びを続けさまにやっていました...
有島武郎 「溺れかけた兄妹」
...土用波が寄せる時の泥海である...
谷崎潤一郎 「細雪」
...日本海では土用波はない...
田畑修一郎 「栄螺」
...土用波にひどく揺られてへとへとに酔ってしまって...
寺田寅彦 「夏」
...さかまきどよもす土用波のように...
中井正一 「現代美学の危機と映画理論」
...この土用波のうねりの一つが映画芸術であることを...
中井正一 「現代美学の危機と映画理論」
...その当座の米友は土用波の返しを喰ったように驚いたが...
中里介山 「大菩薩峠」
......
仲村渠 「すらんらん集」
...土用波くらいは平気だが...
久生十蘭 「あなたも私も」
...怖しい土用波は、一瞬にして燕と最愛の友とをあはせて、海底に拉し去つた...
牧野信一 「月下のマラソン」
...次第次第に土用波ほど高まっていった...
正岡容 「寄席」
...私は毎日のやうに濱へ散歩に出てゐるが、寒い風の吹きすさんでゐる時があるかと思ふと、風は凪いでゐるのに、土用波のやうに、波打際に高い波の打ち寄せて汐煙の舞ひ上つてゐることもある...
正宗白鳥 「吉日」
...荒い土用波が立つてゐるので警備員が自轉車でやつて來るのが見え...
室生犀星 「神のない子」
...土用波のやうに十二三間も續いてゐて...
室生犀星 「京洛日記」
...土用波(どようなみ)のように見物人(けんぶつにん)をもみあげた...
吉川英治 「神州天馬侠」
...凪(なぎ)の底を荒れている土用波のように...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...ちょうど土用波(どようなみ)のようなものだった...
吉川英治 「梅里先生行状記」
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