...土橋を渡ると、兩側は若松の並木、其路傍(みちばた)の夏草の中に、汚い服裝(なり)をした一人の女乞食が俯臥(うつぶせ)に寢てゐて、傍には、生れて滿一年と經(た)たぬ赤兒が、嗄(しやが)れた聲を絞つて泣きながら、草の中を這(はひまは)つてゐた...
石川啄木 「二筋の血」
...今しがた大根畑から首を出して指しをした奧の院道の土橋を遙に見る――一方は例の釣橋から...
泉鏡花 「遺稿」
...谷川にかけた土橋の下では水の音がざざと鳴っていた...
田中貢太郎 「立山の亡者宿」
...土橋(どばし)大塚間を運転している電車に...
田中貢太郎 「妖影」
...土橋を稽古していた...
徳田秋声 「縮図」
...土橋(どばし)へ通ずる西銀座の新道路へ出ようとした...
永井荷風 「つゆのあとさき」
...能褒野へ行くのは此でよいかと道で逢うた百姓に聞いたらあれに見える土手が鈴鹿川で土橋が架つて居る...
長塚節 「松蟲草」
...藪には土橋をかけて...
長谷川時雨 「チンコッきり」
...神田の龍閑橋(りうかんばし)とか芝の土橋(どばし)とかいふふうに方向まで示してゐるので...
長谷川時雨 「春宵戲語」
...ところで、土橋を渡ると、果して、枳殻(からたち)の垣根が始まった...
久生十蘭 「キャラコさん」
...紫と黄色と白と土橋を胡蝶並びて渡りこしかなたとへば日本舞踊で清姫のやうな美姫を三人並べて踊らせる舞台面があつたとする...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...土橋のエー・ワンへ...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...それで川下の土橋を廻り...
吉川英治 「私本太平記」
...うしろの畑道の土橋や森の附近にも...
吉川英治 「新書太閤記」
...土橋をふんで見張っていたところ...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...土橋のてまえまで来ると挨拶して...
吉川英治 「春の雁」
...怖れることはない」と、いいきかせ、土橋を渡って、村の方へ近づいて行った...
吉川英治 「宮本武蔵」
...土橋を渡ってから...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
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