...「この加賀へやって来たものの、どうも思わしい仕官の口がないから、私(わし)は土州(としゅう)の方へ往こうと思う、土州には、深尾主人(ふかおもんど)殿が、山内家(やまのうちけ)の家老をしておるし、主人殿なら、私(わし)の人為(ひととなり)も好く知っておってくれるから、何とか好いことがあるかも知れん、私(わし)はこの四五日前から、そのことを考えておったが、その方が好いように思われるから、いよいよ往くことに決心した」「それは、私(わたし)も時どき思わんこともありません、深尾殿なら、貴方(あなた)のこともよく御存じでございますから、ここのようではありますまい」「そうだ、私(わし)も、今日帰る路(みち)で、決心したから、出発しようと思う、就(つい)ては不自由であろうが、私(わし)が土州へ往(い)て、身の振方(ふりかた)がつくまで、辛抱(しんぼう)していてくれ、土州へ往て、身の振方の着き次第、迎いに来るなり、使(つかい)をよこすなりする」「どんな不自由なことがありましても、貴方(あなた)の出世でございますから、きっとお留守を守っております、これと云うのも中納言様が、貴方のお詞(ことば)をお用いにならずに、治部(じぶ)殿の味方をなされたからでございます」平兵衛は浮田秀秋(うきたひであき)の家臣であったが、その秀秋が関ヶ原の一戦に失敗したので、彼も浪浪(ろうろう)の身となって加賀の知人を頼って来ているところであった...
田中貢太郎 「水面に浮んだ女」
...また背面の土州藩は有名なる板垣等が早くより薩長の志士と結んで伏見の戦にも大(おおい)に働いたのであって...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...この土州軍に向って恭順を表するということになった...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...土州軍総督の深尾左馬之助は軍隊を率いて松山城の三の丸へ入込んだ...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...そこで土州軍はこれまで我藩へ用捨して...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...我土州で固めている区域へは長州兵は一歩も踏込まさぬもしも踏込むなら打払えといって...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...土州藩と改めてしまった...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...或る時土州の足軽位な軽輩の者が...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...土州に先を越されているから...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...この事を土州総督へも十分に通告したので...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...土州長州の両軍もそれぞれ退去するし...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...土州の軍隊の号令厳粛であったとはいえ...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...土州では谷新助氏奥宮正治氏...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...春之助(はるのすけ)といったら土州屋さんもご存じかも知れない...
久生十蘭 「平賀源内捕物帳」
...……それで、定太郎のほうは、どうなんです」加賀屋は、苦っぽろく笑って、「土州屋さん、これはあたしが言うんじゃありません...
久生十蘭 「平賀源内捕物帳」
...土州(どしゅう)が誇るに足りる手仕事の一つであります...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...土州(どしゅう)の坂本龍馬と一緒に斬られたというもう一名の方は弟ではないかしらなどと思う...
吉川英治 「松のや露八」
...「……それから、お侍衆の噂では、いよいよ、公方討(くぼうう)ちの軍(いくさ)が興(おこ)って、長州様も、土州様も、薩州(さっしゅう)様も、また芸州様もこんどは……」凩(こがらし)でも打(ぶ)つかったように、そのとき、誰か門口(かどぐち)の格子によろめいて、大きな音をさせた者がある...
吉川英治 「松のや露八」
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