...芋の穴と云うのは芋を囲(かこ)う一畳敷ばかりの土室(つちむろ)である...
芥川龍之介 「伝吉の敵打ち」
...神代(かみよ)には皆それであった」土地の者にも土室が好い事を勧めていた...
江見水蔭 「怪異黒姫おろし」
...忍坂(おさか)の大きな土室(つちむろ)に大勢の人が入り込んだ...
稗田の阿禮、太の安萬侶 武田祐吉訳 「古事記」
...茶を一ぱいくんねえ」行燈(あんどん)のような微暗(うすぐら)い燈のある土室(どま)の隅から老人がひょいと顔を見せた...
田中貢太郎 「おいてけ堀」
...土室の横へ往って腰をかけ...
田中貢太郎 「おいてけ堀」
...肆の左側の通りぬけになった土室(どま)を通って往った...
田中貢太郎 「春心」
...庖厨の土室(どま)には年とった婢(じょちゅう)が筍(たけのこ)の皮を剥(む)いていた...
田中貢太郎 「春心」
...そこは土室(どま)に臨んで三畳の畳を敷き...
田中貢太郎 「春心」
...土室(どま)の暗い処に三十前後の店員らしい男の眼が光っていた...
田中貢太郎 「春心」
...土室(どま)の中に漂うた酒と煙草の匂(におい)を吸うていた...
田中貢太郎 「水魔」
...いつぞや土室沢(つちむろざわ)と小金沢(こがねざわ)とを振分ける尾根を通って行くと枯れ落ちた林の中で三十貫もある鹿が小金沢の中に駈けて行ったのを見てすっかり厳粛な気持になったということ...
中里介山 「山道」
...長の冬じゅう土室(つちむろ)へかこってやったりしてさ...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...其夜は其の花畑の下なる怪しき土室(あなぐら)にて雲烟...
夢野久作 「白くれない」
...下の土室(あなぐら)にて待兼ねたる黄駝の喜びは云ふも更なり...
夢野久作 「白くれない」
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横瀬夜雨 「べつ甲蜂」
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