...猛然としてもとの自己に眼覚(めざ)める程緊張したならばその時彼は本能的生活の圏内に帰還しているのだ...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...北極圏内には屡見られるのだがこの辺では珍らしいことだといって聞かせてくれた...
有島武郎 「北海道に就いての印象」
...この亜成層圏でも...
海野十三 「成層圏飛行と私のメモ」
...所謂世界的洪水説話の大圏内に...
高木敏雄 「比較神話学」
...圏点をつけたりして返した...
高浜虚子 「漱石氏と私」
...干渉圏の有無を知覚し...
戸坂潤 「技術の哲学」
...無難とはいうが、なにしろ、一葉の自製船を以て、世界の太平洋中に約一カ月を遊弋(ゆうよく)したものですから、その苦心と、操縦は、容易なものではないが、運よく、颱風の眼をくぐり、圏をそらして、世の常の漂流者が嘗(な)める九死一生の思いをしたということは一度もなかったのですが、それだけ、駒井船長の隠れたる苦心というものが、尋常でないことがわかります...
中里介山 「大菩薩峠」
...圏谷をもつ北沢の雪がクッキリと照り映える...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...圏谷(カール)に輝く北沢をはじめ...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...知らん顔をして圏外(けんがい)へ出てしまった...
夏目漱石 「明暗」
...この国の木で圏(わ)を画くもまたしかり...
南方熊楠 「十二支考」
...もっと文学の圏内におこったことの感じであった...
宮本百合子 「豪華版」
...今日ほどすべてが認識の圏内に取り入れられたことはないであろう...
柳宗悦 「工藝の道」
...美術の圏外に放置せられたためか...
柳宗悦 「民藝四十年」
...暫くの間はその人間を疑問の圏内に保留しておいて...
夢野久作 「暗黒公使」
...真空の一圏内(けんない)を作って対峙(たいじ)していた...
吉川英治 「宮本武蔵」
...しかし右の統一はイスラムの文化圏とシナの文化圏との統一にほかならず...
和辻哲郎 「鎖国」
...それは我国の武士がただ内乱を背景としてのみ発生し西欧に於けるが如く異民族や異れる文化圏との対立に於て発生したのではないという点である...
和辻哲郎 「鎖国」
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