...故にこれは固より彼等にとつて致命的の缺點ではない...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...凡ての説が誤つてゐることも固より一つの可能なる場合である...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...寧ろ惡意を含んでゐる者に取卷かれてゐると思ふ寂しさとは固より意味が違ふけれども...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...これは固より彼の同情者の罪ではなくて...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...一切の執着煩悩を持つてゐる人だ!ルンペンは固より放浪癖にひきずられてゐるが...
種田山頭火 「行乞記」
...固より閣下の名譽ならずと謂ふ可からず...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...固より議会を開きたるを以て自己の功なりとすべく...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...狙ひに狂ひの無いのは固より...
中島敦 「名人傳」
...固より大した大厦高樓ではない...
濱田耕作 「沖繩の旅」
...固より自分一身に関係したことではない...
平出修 「逆徒」
...諸大名は固より此迄自分に覺悟も無之候て...
福澤諭吉 「御時務の儀に付申上候書付」
...固より根がお茶ッぴいゆえ...
二葉亭四迷 「浮雲」
...固より天性発明なる人(genius アル人)即ち天稟の聖人ならば山野に遊び江湖に泛びて高尚深遠の哲学を発明する所多かるべけれど...
正岡子規 「読書弁」
...ところで存在の凡庸性に於て意識の埋沒の行はれることは固より明かであらう...
三木清 「唯物史観と現代の意識」
...全體として取殘された問題は固より數多く...
三木清 「歴史哲學」
...此混淆糅雑(じうざつ)は固より歴代の学者が意識して敢て為したのでは無い...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...逍遙子が一時の方便にてこゝに見るところなしといはむは固より勝手たるべし...
森鴎外 「柵草紙の山房論文」
...斯の如きは固より其所なり...
山路愛山 「詩人論」
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