...固より外面的に見れば...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...藝術の此の如き獨自なる價値を主張する意味ならば其處には固より多くの異論あることを許さない...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...精神的の苦悶は固より...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...固より独軍の全敗は国内事情によること最も大であるけれども...
石原莞爾 「戦争史大観」
...固より国家を背負って立つ器量はない...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...固より一個の不祥たるに相違なかる可し...
高木敏雄 「比較神話学」
...其期する所のものは固より未來の成功に在らむ今日豈輙すく彼れの人物を評論するを得むや然れども彼れが初期の公人的歴史は...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...其高風固より國民の瞻仰する所而も未來の總理大臣として公に屬望するもの亦少なからざるに於て...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...固より、野に声なしというのは比喩である...
豊島与志雄 「野に声なし」
...固よりそれだから遠慮をしてどうといふことはなかつた...
長塚節 「開業醫」
...代助は固よりそれを予期してゐなかつた...
夏目漱石 「それから」
...代助は固より三千代の説明を嘘(うそ)とは思わなかった...
夏目漱石 「それから」
...「その規模は固より一定する所ありと雖も」と...
蜷川新 「天皇」
...されば既に明に外形上によりして僞造と定まりたる史料は固より措て論ぜず...
原勝郎 「吾妻鏡の性質及其史料としての價値」
...杏(あんず)固より可なり...
正岡子規 「俳諧大要」
...その石材は余りよいのでもないやうに思はれるがしかし十五銭位の勧工場物とは固より同日の論ではない上に...
正岡子規 「病牀六尺」
...『新俳句』は明治三十年三川(さんせん)の依托(いたく)により余の選抜したる者なるが明治三十一年一月余は同書に序して(略)元禄にもあらず天明にもあらず文化にもあらず固より天保(てんぽう)の俗調にもあらざる明治の特色は次第に現れ来るを見る(略)しかもこの特色は或る一部に起りて漸次(ぜんじ)に各地方に伝播(でんぱ)せんとする者この種の句を『新俳句』に求むるも多く得がたかるべし...
正岡子規 「墨汁一滴」
...その信徒等は彼等の感激に於て固より全く新しく明ける日の微風に包まれてゐるのを信じたが...
三木清 「歴史哲學」
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