...ひるがへる布の高壁めぐらして鉛もて地に固むるに...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...ひるがへる布の高壁めぐらして鉛もて地に固むるに...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...国家的基礎を固むるには絶好の機会である...
大隈重信 「日支親善策如何」
...しかれども統計に信頼するためには統計の基礎を固むる必要あるべし...
寺田寅彦 「自然現象の予報」
...450譬へばとある牧羊者やすく羊毛一房を片手に取りて其重み些の煩をなさぬ如、かくヘクトール大石を抱きおこして腕にとり、嚴重堅固の備ある其關門の戸の前に搬び來りぬ、關門は二重の扉高く張り、 455二條の横木、一條の閂、内にこを固む、その前迫り立ち停り、投げの威力を増すがため、しかと兩脚踏み張りて、まともに巨石投げ飛ばし、門を堅むる番(てふつがひ)左右二つを碎き去る、石はおのれの重みにて内に落ち入り關門は 460高鳴り横木支え得ず、石に打たれて堅剛の扉左右に飛び散りぬ、かくて勇めるヘクトール、面(おも)は俄かの*夜の如く、その黄銅の裝は燦爛として、其手には二條の槍を携へて、躍り進みて内に入る、神を除きて何人も彼に 465手向ふことを得ず、其眼光は火の如く、衆軍中に振り向きて壘を越すべくトロイアの諸軍に高く呼はれば、彼の指令を衆は聽き、其あるものは壁を越し、他のあるものは堅牢の門を潜りて流れ入る、アカイア勢は支へ得ず、 470水陣さし逃げて走り喧囂絶えず湧き起る...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...来遠(らいえん)靖遠(せいえん)超勇(ちょうゆう)揚威(ようい)は右翼を固む...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...永続的なものを築くには涙と血とで固むるのほかはないと知って...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...こんどは国家を再び固むるを要する...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...明瞭に過去と未来とを両立させることによって現在を固むるひとりが...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...火事場の稼ぎにもゴムの鎧(よろい)に身を固むることを忘れざれば天狗(てんぐ)の鼻柱(はなばしら)遂に落るの憂なく...
永井荷風 「桑中喜語」
...今日軍艦を購(あがな)ひ大砲を購ひ巨額の金を外國に出すも畢竟日本國を固むるに外ならず...
正岡子規 「歌よみに與ふる書」
...畢竟(ひっきょう)日本国を固むるに外ならず...
正岡子規 「歌よみに与ふる書」
...今日軍艦を購(あがな)い大砲を購い巨額の金を外国に出すも畢竟(ひっきょう)日本国を固むるにほかならず...
正岡子規 「歌よみに与ふる書」
...戌亥子丑寅と五支の名を唱えつつ五指を折り固むるのだと...
南方熊楠 「十二支考」
...王早く其兒に逢ふて城を固むる法を問はんと自ら出迎へてメを宮中に招き盛饌を供し...
南方熊楠 「人柱の話」
...内側より扉をさし固むる風情なり...
夢野久作 「白くれない」
...高山右近が固むるところの岩崎山の懐(ふところ)も...
吉川英治 「新書太閤記」
...ひしと戸をさし固むべき時の來て夜半を樂しくとりいだす酒夜爲事の後の机に置きて酌ぐウヰスキーのコプに蚊を入るるなかれ疲れ果て眠りかねつつ夜半に酌ぐこのウヰスキーは鼻を燒くなり鐵瓶のふちに枕しねむたげに徳利かたむくいざわれも寢む醉ひ果てては世に憎きもの一もなしほとほと我もまたありやなし一刻も自分を忘るゝ事の出來ぬ自己主義の...
若山牧水 「樹木とその葉」
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