...碎かれざる心「固よりこれはこの時だけの氣分に過ぎないことを知つてゐた」(二三一)...
阿部次郎 「合本三太郎の日記の後に」
...固より弱く生れついた者には自己憐憫の心がない譯に行かない...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...頑固(ぐわんこ)な街道端(かいだうばた)の料理屋(れうりや)なんどの主人(しゆじん)のやうで...
アントン・チエホフ Anton Chekhov 瀬沼夏葉訳 「六號室」
...固め過ぎた...
太宰治 「春の盗賊」
...吾人が希望するところ固(もと)より一にして足らざるなり...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...もしそれ中間においてはいわゆる公武合体説なるものあり、井伊の如く時勢を測らず、天下の勢已(すで)に変ずるの後において、強(し)いてこれを矯(た)めんとするが如き、舟を刻んで剣を探るの策を用いず、また天皇親政の名の下に、浪士専制の実を行うが如き事を欲せず、公武合体以て内、人心を固め、外、外国に衝(あた)らんと欲したる者無きに非ず...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...之を裏づけていると考えられる道徳意識――必ずしも固定した道徳律や徳目や国民道のことではない――を私は...
戸坂潤 「認識論とは何か」
...庭みな白く固みて炎天に輝やけり...
萩原朔太郎 「純情小曲集」
...固く閉まっている...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部秘話」
...固有の意味を得てきたのである...
三木清 「人生論ノート」
...牛乳を沸(に)てその中へ梅や桃の液を滴(たら)すと牛乳中の脂肪が水分と分離して白い固形(かたまり)になる...
村井弦斎 「食道楽」
...さういふ義理固い変らない心も何か僕に応へるものがあつた...
室生犀星 「鉄の死」
...固より「マルチリウム」といふ洋語も知らず...
森鴎外 「最後の一句」
...凝り固まって来る...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...しかも堅固な植物の幹が歩(あ)るいてゐるやうである...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...七城中の堅固、なかなか杉原どのの手にもおえぬと、苦戦が報ぜられておるのだぞ」「そのような由です」「そこへ貴様などが、何の足(た)し前にまいるか」「わかりません」「わからずに戦場へ出るやつがあるか」「ひたすら殿のお旨(むね)にあることでしょう...
吉川英治 「新書太閤記」
...もっとも堅固(けんご)に見えたか」とか...
吉川英治 「新書太閤記」
...茶館の二階に待っていたのは李固(りこ)だった...
吉川英治 「新・水滸伝」
便利!手書き漢字入力検索