...松山市を囲む小さな道後平野を限つて...
安倍能成 「初旅の残像」
...それには、此の骨組みの上へ湿つた土の粒を一つ一つ堆み上げて行つて、木虱のゐるところまで円天井のやうなもので、茎を囲む...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...街既に落ちて、家を囲むに、閉ぢたる戸毎に不順の色見え、鉄火、窓より降りしきれば、「憎(に)つくき僧徒の振舞」とかたみに低く罵(ののし)りつ...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...太い薪をくべて座敷のストーブを囲むと...
大鹿卓 「金山※[#「插」でつくりの縦棒が下に突き抜けている、第4水準2-13-28]話」
...――それらに混じって誰がやっているものか朝から晩まで碁を囲む音がいかにものんきそうに...
相馬泰三 「六月」
...木立を囲む鉄柵も...
辰野隆 「二人のセルヴィヤ人」
...もしそれらの器物を取り囲む空白を真っ黒な闇で塗り潰し...
谷崎潤一郎 「陰翳礼讃」
...おどろおどろしい館が取り囲む楢の老木から突き出しているのが見て取れる...
三上於菟吉訳 大久保ゆう改訳 「自転車乗りの影」
...それを囲む文化的政治活動組織の破壊とを本来意味する筈なのだが...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...残るところはこの小田原一カ城……これを囲むところの関白秀吉の軍勢...
中里介山 「大菩薩峠」
...みんなが僕を忌避しないで食卓を囲む...
原民喜 「飢ゑ」
...林・谷・堀井と囲む...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...またわれわれを取囲む醒(さ)めた現実...
ホーフマンスタール Hugo von Hofmannsthal 木下杢太郎訳 「チチアンの死」
...こぎれいな家々がロンドン中心部を取り囲む地帯に入った...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部秘話」
...幾重にも囲む美しい花々...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「謎の四つ指」
...またはその夫人などこれを囲むとき...
森鴎外 「文づかい」
...津軽平野を囲む一帯の村落百十余ヵ村へ対して...
吉川英治 「鬼」
...この家を囲む立木の一部に身を隠していた...
吉川英治 「宮本武蔵」
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