...一家最もこの怪事に困却せりという...
井上円了 「甲州郡内妖怪事件取り調べ報告」
...大へん困却した感じを強くしたことは今でも忘れません...
上村松園 「画室談義」
...頓珍漢の事のみ出来して実に困却せり」正造は眉間に皺よせて筆先を硯にすりつけていたが...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...東海さんの困却(こんきゃく)をまのあたりみせられ...
田中英光 「オリンポスの果実」
...沼田英吉はひどく困却した...
豊島与志雄 「電車停留場」
...さぞ困却していようと思うと...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...殊に余の困却したるは舞台と観客席との区域分明ならざる事なりき...
永井荷風 「江戸芸術論」
...女連で宿がなくて困却すると書いてある...
中里介山 「大菩薩峠」
...堆い小豆飯には殆んど困却した...
長塚節 「佐渡が島」
...實際(じつさい)困却(こんきやく)すると見(み)えて...
夏目漱石 「門」
...それでは人間自身が大(おおい)に困却する事になるばかりだ...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...この軍略を用いられると主人ははなはだ困却する...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...訳者ノ困却スルコト...
穂積陳重 「法窓夜話」
...奥女中あがりを女房にした長屋の男の困却を諧謔の主題にしたものだった...
宮本百合子 「菊人形」
...文章のはじめと終りとが自分で判らなくなって大いに困却したと自分で書いているのが可笑しい...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...私が病気のため受取り仕舞いなくして困却して居るから万々よろしくと折入ってたのんであるのに...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...瑞西全體が非常に困却してゐることなぞを...
吉江喬松 「山岳美觀」
...道に迷って困却いたした...
吉川英治 「三国志」
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