...一家最もこの怪事に困却せりという...
井上円了 「甲州郡内妖怪事件取り調べ報告」
...頓珍漢の事のみ出来して実に困却せり」正造は眉間に皺よせて筆先を硯にすりつけていたが...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...中食(ちゅうじき)までも晩(おく)れることが度々(たびたび)なので困却(こま)っている...
アントン・チエホフ Anton Chekhov 瀬沼夏葉訳 「六号室」
...私は彼のそういう困却にただならぬ気配を見てとったのである...
太宰治 「猿ヶ島」
...クラウゼは困却して考えた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...そしてこの善良な祖父は困却していた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...その優越感を思うまま相手に感じさせかねたので困却した...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...殊に余の困却したるは舞台と観客席との区域分明ならざる事なりき...
永井荷風 「江戸芸術論」
...四つ又も困却したが乘つた船で止むを得ない...
長塚節 「芋掘り」
...然ルニ一日ヨリ今日ニ至ル迄一日ノ閑無ク一刻ノ閑無ク困却極レリ...
※[#「さんずい+(壥−土へん−厂)」、第3水準1-87-25]上漁史 「忙ノ説」
...迷乱と困却の一瞬間の後には...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「鉄道事故」
...総代輩困却して逃竄(とうざん)し...
南方熊楠 「神社合祀に関する意見」
...心中甚だ困却してゐたのである...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...文章のはじめと終りとが自分で判らなくなって大いに困却したと自分で書いているのが可笑しい...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...私が病気のため受取り仕舞いなくして困却して居るから万々よろしくと折入ってたのんであるのに...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...私はそれをどこにしまうかに困却するであろう...
柳宗悦 「工藝の道」
...如何ばかり困却するであろう...
柳宗悦 「民藝四十年」
...道に迷って困却いたした...
吉川英治 「三国志」
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