...夕暮妻が桃の花を買ひに行つたあとでK子が大あばれをして僕を困らせる...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...そのほかわれわれイギリス国民を困らせることが実に夥(おびただ)しいのです...
海野十三 「独本土上陸作戦」
...どうしてそんな分らない事をいって僕を困らせるんだろう...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「情鬼」
...御母(おっか)さんを困らせるようなもんじゃないか」「困らせるつもりじゃありません」「御前がその気でなくっても...
夏目漱石 「虞美人草」
...人を困らせるのだろう...
夏目漱石 「それから」
...または心得があって故意に困らせるのか...
夏目漱石 「明暗」
...つまらねえ気を起してお浜を困らせるんじゃないぞ」「ヘエ――」何という間の悪さ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...一家を困らせるやうな飮みぶりは今までにあまりなかつた...
林芙美子 「濡れた葦」
...七歳(ななつ)のとしに父親(てておや)得意場(とくいば)の蔵普請(くらぶしん)に、足場を昇りて中(なか)ぬりの泥鏝(こて)を持ちながら、下なる奴(やつこ)に物いひつけんと振向く途端、暦に黒ぼしの仏滅とでも言ふ日で有しか、年来馴(な)れたる足場をあやまりて、落たるも落たるも下は敷石に模様がへの処ありて、掘おこして積みたてたる切角(きりかど)に頭脳したたか打ちつけたれば甲斐(かひ)なし、哀れ四十二の前厄(まへやく)と人々後(のち)に恐ろしがりぬ、母は安兵衛が同胞(けうだい)なれば此処に引取られて、これも二年の後(のち)はやり風俄かに重く成りて亡(う)せたれば、後(のち)は安兵衛夫婦を親として、十八の今日まで恩はいふに及ばず、姉さんと呼ばるれば三之助は弟(おとと)のやうに可愛(かあゆ)く、此処へ此処へと呼んで背を撫(な)で顔を覗いて、さぞ父(とと)さんが病気で淋しく愁(つ)らかろ、お正月も直きに来れば姉が何ぞ買つて上げますぞえ、母(かか)さんに無理をいふて困らせては成りませぬと教ゆれば、困らせる処か、お峯聞いてくれ、歳(とし)は八つなれど身躰(からだ)も大(おほ)きし力もある、我(わし)が寐(ね)てからは稼(かせ)ぎ人(て)なしの費用(いりめ)は重なる、四苦八苦見かねたやら、表の塩物やが野郎と一処に、蜆(しじみ)を買ひ出しては足の及ぶだけ担ぎ廻り、野郎が八銭うれば十銭の商ひは必らずある、一つは天道さまが奴(やつこ)の孝行を見徹(みとほ)してか、となりかくなり薬代は三が働き、お峯ほめて遣(や)つてくれとて、父は蒲団をかぶりて涙に声をしぼりぬ...
樋口一葉 「大つごもり」
...さほど大して彼を困らせるはずはない...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「ウィリアム・ウィルスン」
...翻訳者を困らせる言葉である...
エドガア・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「群集の人」
...何もこれ以上無闇に困らせる気はなかったので...
ナサニエル・ホーソン Nathaniel Hawthorne 三宅幾三郎訳 「ワンダ・ブック――少年・少女のために――」
...おばあさんを困らせるような事は一度もしなかった...
堀辰雄 「幼年時代」
...父が私を困らせるのです...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「本命馬」
...わたしを困らせる...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...どちらもただ人を困らせるだけの命令であって...
柳田国男 「母の手毬歌」
...それでは君は主人を困らせるばかりで何にもならぬから私が出るまで出ないようにするべきだといってきかせてやっても...
横光利一 「機械」
...私のようなものを困らせるのには全くそのように暴力だけよりないのであろう...
横光利一 「機械」
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