...露伴の初めて世間に発表した作は『都之花』の「露団々(つゆだんだん)」であって...
内田魯庵 「硯友社の勃興と道程」
...「団々珍聞」等二三の重なる雑誌でさえが其執筆者又は寄書家に相当の報酬を支払うだけの経済的余裕は無かったので...
内田魯庵 「二十五年間の文人の社会的地位の進歩」
...『露団々』は露伴の作才の侮りがたいのを認めしめたが...
内田魯庵 「露伴の出世咄」
...しかも、この狸たるや、アルテミス型の少女に惚れる男のごたぶんにもれず、狸仲間でも風采あがらず、ただ団々として、愚鈍大食の野暮天であつたといふに於いては、その悲惨のなり行きは推するに余りがある...
太宰治 「お伽草紙」
...沈みかけようとする夕陽が団々の雨雲を紫赤色(モーブ)に染めあげていた...
久生十蘭 「墓地展望亭」
...団々として明月に似るというの面白いし...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...この団々と膨脹して来る群衆の勢力に巻き込まれた...
横光利一 「上海」
...恐らくその波の打ち寄せる団々とした刺戟のたびに...
横光利一 「上海」
...たちまち団々たる黒煙の柱が空へ巻き上がってきたので...
吉川英治 「剣難女難」
...呂布は身長(みのたけ)七尺ゆたかな偉大漢なので、団々と、巨大な鞠(まり)の如く縄をかけられたため、いかにも苦しげであった...
吉川英治 「三国志」
...すでに団々たる艨艟(もうどう)は眼のまえにあった...
吉川英治 「三国志」
...――火の粉をもった黒けむりが団々(だんだん)と西から南から三十六峰の上をたえまなくかすめてゆく恐い夜空の下なのである...
吉川英治 「私本太平記」
...兵庫の岸もすててはるかひがしの――義貞の位置からすれば――ずっと後方にあたる生田の川口の方へむかって団々(だんだん)と突進していた...
吉川英治 「私本太平記」
...叡山の上を――さらにその上の団々たる雲を仰いで――あたりの者にいった...
吉川英治 「新書太閤記」
...眼にあまる敵営団々たる小牧山をながめていた...
吉川英治 「新書太閤記」
...甲冑(かっちゅう)の団々たる群れと群れとが...
吉川英治 「新書太閤記」
...団々たる二つの火が...
吉川英治 「新・水滸伝」
...団々(だんだん)たる雲のたたずまいがあり...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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