...因業な話で共倒れになるのじゃないか...
石原莞爾 「最終戦争論」
...『もう分つた! こん畜生! 貴様のような因業な奴は斯うしてやるんだ!』彼れは夢中になつて...
伊藤野枝 「火つけ彦七」
...茶を一つ持つて來ないのか?」「そんな因業なわけぢやアありません...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...なんと云う因業な事だろう』忠五郎の生命を助けるためにできるだけの事はなされた――しかし駄目であった...
小泉八雲 田部隆次訳 「忠五郎のはなし」
...因業な――いやはや...
谷譲次 「踊る地平線」
...あんな因業な人ったらありゃしないよ...
夏目漱石 「道草」
...あんな因業な人間はありゃしません」「そんなことはあるまいよ」「何とか身の振り方の付くようにと...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...お槇(まき)という因業な女と――八五郎は心得て居ります...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...いとしやいとしやこの身の影に鳴く蟲のねんねんころりと鳴きにけりたれに抱かれて寢る身ぞや眞實我身は獨りもの三十になるといふその事の寂しさよ勘平さんにはあらねどもせつぷくしても果つべきかても因業なくつわ蟲...
萩原朔太郎 「蟲」
...こんがら童子に渋を塗ったような因業な顔を獅子噛ませ...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...因業な奴だとおもっておりましたけれど...
堀辰雄 「朴の咲く頃」
...旅行者の立場を見込んだこの因業な職人は決してこの要求を諾かぬのである...
牧野信一 「読書と生活」
...因業なおやじのおかげで...
水上滝太郎 「遺産」
...そんな因業な事を言ふない!留吉 だがお前...
三好十郎 「地熱」
...そう因業なことも言うまい...
矢田津世子 「凍雲」
...いまはただ因業な...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...「まあまあそう因業な事をば云いなさんな...
夢野久作 「近世快人伝」
...そこで日頃はケチで因業な曹(そう)旦那も...
吉川英治 「新・水滸伝」
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