...因業な奴とは聞いて知つてゐたのですが...   
伊藤野枝  「火つけ彦七」 
...『もう分つた! こん畜生! 貴様のような因業な奴は斯うしてやるんだ!』彼れは夢中になつて...   
伊藤野枝  「火つけ彦七」 
...因業な――いやはや...   
谷譲次  「踊る地平線」 
...あんな因業な人ったらありゃしないよ...   
夏目漱石  「道草」 
...――因業なようでも父親に違いないし...   
野村胡堂  「銭形平次捕物控」 
...あんな因業な人間はありゃしません」「そんなことはあるまいよ」「何とか身の振り方の付くようにと...   
野村胡堂  「銭形平次捕物控」 
...お槇(まき)という因業な女と――八五郎は心得て居ります...   
野村胡堂  「銭形平次捕物控」 
...網代(あじろ)に皺のはいった因業な顔も...   
久生十蘭  「あなたも私も」 
...此の店が因業なのか...   
古川緑波  「古川ロッパ昭和日記」 
...「そんな因業なことを云はずと...   
牧野信一  「鬼の門」 
...旅行者の立場を見込んだこの因業な職人は決してこの要求を諾かぬのである...   
牧野信一  「読書と生活」 
...因業な割には安い鰌屋だって...   
正岡容  「小説 圓朝」 
...そんな因業な事を言ふない!留吉 だがお前...   
三好十郎  「地熱」 
...因業な飽くことを知らぬ精神の結果である...   
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」 
...因業な伯父夫婦にこき使われた...   
矢田津世子  「鴻ノ巣女房」 
...そう因業なことも言うまい...   
矢田津世子  「凍雲」 
...いまはただ因業な...   
山本周五郎  「樅ノ木は残った」 
...そこで日頃はケチで因業な曹(そう)旦那も...   
吉川英治  「新・水滸伝」 
便利!手書き漢字入力検索